1977年作。
大成功を収めたイギリスより地元アメリカに凱旋帰国し、新たにコロンビアと契約したスパークス。だが、NYパンクの影響を取り入れた意欲作「Big Beat」は商業的に大コケし、一気に後が無くなってしまった。
いよいよ背水の陣となったこの作品、当初噂されていたプロデューサーはKISSやアリス・クーパーなどで知られる大御所ボブ・エズリンだったが、実際にスパークスの演奏を観たエズリンは興味を示さず、結局はテリー・パウエルなる無名の人物とメイル兄弟自身が担当。リー・リトナーやデイヴィッド・フォスターら腕も名声もギャラも超一流の職人たちをバックに迎え、底抜けに明るい西海岸の陽光きらめく、トロけるようなポップアルバムに仕上がった。
だが、相変わらずひねくれた歌詞は普通のポップスを求めるリスナーには受け入れられず、「キモノ〜」以来のファンもスタイルの変化に困惑するばかり。結局、前作の失敗を埋め合わせるほどのセールスを記録するには至らず、本作をもってスパークスはコロンビアとの契約を打ち切られてしまった。
また、この作業を通じてスタジオミュージシャンたちのルーチンな「仕事人」ぶりに失望した彼らは、ロックバンドという形式そのものに興味を失い、翌年のジョルジオ・モロダーとの出会いにつながって行く。
なお、作家/パンク歌手の町田康が、パンクの名盤10選になぜかこのアルバムを選んでいる。