デトロイト・テクノと言えばデリック・メイ。デリック・メイと言えば「ストリングス・オブ・ライフ」。
と言うことでこの二枚組ベスト盤に手を出してみた。デトロイト・テクノに特徴的な「(エレクトロ)ファンク」の要素と「ジャズ/フュージョン」的な要素、そして「宇宙」を思わせるサイエンス・フィクション/コズミック・ソウル的な要素が十分に感じられる。しかし、ホァン・アトキンスやアンダーグラウンド・レジスタンスなどの他のデトロイト勢とこのデリック・メイの音の違いは、ラテン/ヒスパニック的なリズム感・ピッチの速さ・独特のメランコリックな叙情性にあると思う。その証拠という訳ではないが、2枚目の12曲目の"Winter On The Blvd"はStingの"Fragile"のデトロイト・バージョンのようである。
後はトリビアという訳ではないが、ここに収録の「ストリングス・オブ・ライフ」は後にUKで再リリースされた際に短く編集されたバージョンで、かつオリジナルよりピッチが僅かに高い。オリジナルは"Rhythim Is Rhythim"名義で様々なコンピ盤に収録されている(長さはフルで7分23秒)。またUKではこの曲をサンプリングしたAltern 8 の"E-vapor 8"がトップ10ヒットになった。
当時はNew OrderからDepeche Mode、果てはローリング・ストーンズのミック・ジャガーまで「ストリングス・オブ・ライフ」に代表されるデトロイト・テクノのサウンドに魅せられて、こぞってその影響を自分達の音楽に取り入れようとしていた。New Orderの"Round & Round"やDepeche Modeの"Enjoy The Silence"か"World In My Eyes"、the Rolling Stonesの"Rock And a Hard Place"やSealの"The Beginning"あたりの12インチとこのベスト盤を聴き較べてみると面白いのではないだろうか。