スティービー個人の音楽上のキャリアとしても、所属するモータウン・レーベルとしても絶頂期にあたる時期に発表されたまさに歴史的最高傑作、
60年代から洗練に洗練を重ねたいわゆるモータウン・サウンドの極致としてマービン・ゲイの「ワッツ・ゴーイン・オン」と並ぶ20世紀の宝ものです、
”What's goin' on”はビートルズのサージェント・ペッパーズのように少々オーバー・プロデュース気味な部分に魅力があるように思いますが、本作の魅力は逆に極端に控えめな点、控えめであるがゆえに特に"Too High"や"Golden Lady"のなどの数曲では神々しい美しさを垣間見るような感動があります、ジャズの影響は確かで、しかしコルトレーンほど情緒過多にならず、マイルス・デイビスを更に控えめに凝縮したような静かではあるが硬質で強烈な印象を受けます、
スティービー自身もこの後、本作と同じ水準での神々しいアルバムは製作しておらず、創作のマジックとしての奇蹟を感じます、ただし一面ではとても陰気な印象を受けることも確かで「ハッピー・バースデー」に代表されるようなとても陽気な印象を期待すると落胆する可能性大です、ただし、この陰気さを湛えていることこそ人の心の最も深い部分へ訴える名作と称えられる所以です、