今更ですがアルバムの方は最高です。当時、なんだかんだと大好きだったスラッシュメタルが衰退していた時期にリリースされたこの作品は輸入レコード屋でやたらと話題となり、当時高校生だった私は金もないのに代引きで注文し(荷物を受け取った母親に叱られました)、そのスピード感・複雑な構成・バカテクな演奏にぶっ飛んだものです。…熱くなってしまうので、内容に関しては他のレビュアーさんのレビューを読んでいただくとして、今回の再発の仕様について。
発表当時から音質については何かと揶揄されて作品だったのですが、今回のリミックス・リマスターによって、問題だった音の分厚さがかなり改善されてます。特に低音部の改善が目立ち、当時高校生だった私がぶっ飛んでしまった、スティーヴのBassや、ジーンの超人バスドラワークが満喫できます。個人的にはオリジナルのあのこじんまりとしたミックスはアンダーグラウンド的で、尚且つBassが丸聴こえだったで結構好きだったクチでした、なので、ここまで音が分厚くなると違和感がありますが、普通に考えれば成功の部類に入るのではないでしょうか。
で、今回の売りであるDisc 2について。
チャックが亡くなった後にリリースされた「Live in L.A」がブート紛いの音質で少しがっかりした経験があるので、この時期のLiveが聴けるだけで満足だなんて思っていたのですが、思ったより音質は良い方だと思います。まあ、クリアとは言い難いですが、僕みたいに日常それほど高音質の音楽を聴く機会が少ないタイプの人間であれば十分な音質。このバンドが好きな人なら普通に聴けると思います。それ以前に、この最強布陣のLive(2ndギタリストはCraig Lociceroに変わっていますが、アンディと遜色ありません)が、しかもこのアルバムの衝撃的なOP曲「Overactive Imagination」のLiveが聴けるなら十分でしょう。ファンなら買い直しても惜しくないと思いますよ。
今改めて聴いてみてもここまで先見的で素晴らしい内容のメタルアルバムはそうそうないんじゃないでしょうか。
レビューとは直接関係はありませんが、個人的にはDeathってデスメタルの要素があったのは初期のチャックのVoスタイルだけで、どちらかというとスラッシュメタルだったと思うんですけどね。当時このアルバムが話題になった時、「低迷するスラッシュメタルの光明」的なノリで、デスメタルと思って購入した人はほとんどいなかった記憶があります。このアルバム以降、どんどん曲は複雑化し、スラッシュやデスですら超えてしまったバンドですが、このアルバムを改めて聴いてみてこんなことを思い出してしまいました。まあジャンルの呼び名なんて水物なので、どうでもいいんですけど、デスメタルってレッテルのせいでこの素晴らしいアルバムを聴いてみようって思う人が少なくなるのは残念ですよね〜。