今年2012年はケージ生誕100年にあたり、ケージが取り上げられる機会も多少増えるだろう。
だが海外と違い、日本では未だケージは4分33秒を”発明”した、変わり者の作曲家、として
面白おかしくしか評価されないのが悲しい。
4分33秒の発明の裏には、膨大な美しい曲の集積があった。ケージの普通のピアノ曲は
環境音楽の先駆としても、もっと聴かれてよいと思う。晩年のナンバーピースや偶然性の音楽は
いわゆる”現代音楽”で聴く人を選ぶが、このCDは選曲が心地よいもので構成され、初めて聴く
人も親しみを覚えるであろう。
ジャケットの風景そのままのサウンドスケープが大変美しい"In a landscape"
プリペアドピアノの打楽器のような響きが寂寥感をもたらす"Music For Marcel Duchamp"や
"A Valentine Out Of Season"
プリペアドピアノの激しい演奏にグルーブを感じる"Bacchanale"
などなど。
演奏に逸脱したところがなく、演奏者の個性を感じないのは本作の難点か。
これでケージのよさを知った人は、ぜひ個性的な演奏家によるケージのピアノ曲演奏
Daughters of the Lonesome Isleや
ケージ:プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュードを聴いてみてほしい。