'77年当時、殆どのパンクバンドは少なからず、'65~'66年頃のザ・フーに影響を受けていましたが、ルックスから楽曲、楽器(リッケンバッカー)つまりサウンドに至るまでジャムほどフーに近いバンドは他にいなかったでしょう。代表的なパンクバンド、ピストルズ、クラッシュ、ダムドらの中で、音楽的に最も'60s志向が強かったバンドはジャムとストラングラーズくらいでしょう。アルバムはそのまんまテンポを倍にしたパンク版フーといった感じです。タイトル曲からしてフーの同名曲のサビをそのままAメロに借用しているし、5はフーの「I Can See For Miles」の展開にそっくりだし、8は「I'm A Boy」のコーラスが出てくるし。このアルバム一日で録ってしまったそうですが、結構しっかりした小気味いい演奏で、はっきりいって上手いと思います。見過ごされがちだと思いますが、とにかくこのタイトなリズム隊は当時のパンクバンドの中でダントツではないでしょうか?そして彼らの全6枚中、これは偏見でもなんでもなく一番黒っぽくファンキーなアルバムだと思います。4のファンキーさや9,11なんて完全にリズム&ブルースですね。つまり他のパンクバンドとは一線を画したリアルモッズ志向だったわけです。その辺りが当時、懐古主義者と呼ばれたりしたわけですが、ウェラーは信念を曲げることなく、モッズの道を突き進み、現在では神様的存在ですね。彼の生真面目さ、一直線さは半端じゃなかったということだと思います。(その証拠に顔が直線でできてます。イチローもそうですね)ただその生真面目さ故に、フーやスモールフェイシズ、キンクスなどが持つユーモア感覚に欠けるところがこの人の、このバンドの唯一の欠点だったと思います。ドクターフィールグッド、特にウィルコジョンソン好きにもお薦めです。