たまたま耳にしたこのアルバム収録の「ブラックバード」。誰の演奏かチェックをするとこのアルバムだった。ビレリ・ラグレーンは聴いたことがあるし、デビューをした頃のまだ少年時代の演奏にも驚いたものだ。しかし、個人的な趣味ではジプシー系のギターはあまり好みでなく、ビレリの演奏も私にはバタ臭く感じられた。でも、このアルバムは良い。相方のシルヴァン・リュックは初めて聞く名前で、演奏も今回が初めて。このシルヴァン・リュックが非常に音楽的で素晴らしいギタリストだ。ビレリのように弾きすぎることもなく、ビレリより洗練されている。テクニックもすごく、アコースティックギターでコードをきれいに弾き音の粒もそろっている。ナイロン弦のギターできれいな音色で弾くのはすごく難しい。例えば渡辺香津美なんかは指は良く動くがアコースティックを弾く時の音色はあまりきれいでない。(ナイロン弦を綺麗に奏でられるジャズ・ギタリストはあまりいないと思う。)この点だけでもシルヴァン・リュックは相当なテクニシャンであるのがわかる。
このシルヴァン・リュックと一緒にやることでビレリも普段より弾きすぎることもなく、良いプレイをしている。曲もギター用にしっかりとアレンジされており、コード進行だけを頼りに二人でジャムったような作品ではないのも好感できる。私みたいに「ビレリはちょっと…」と思って敬遠している人も聴いてみると良いと思う。これを聴いてシルヴァン・リュックのトリオの作品も聴いてみたのだが、やはり素晴らしいギタリストですね。