大きく誤解も含めて言ってみると、ここに写されているのは、
「光」と「円(もしかしたら渦なのかも)」のイメージ。
ある意味、その反復でしかない。
優し気な雰囲気や力強いモチーフによって、まるで
何かが含まれている写真のように思われるけれども、
実際は、もの凄く表層的、というか、画面的というか、
内容はない写真なのである。
写っているものへの愛みたいなものを感じるけれども、
それは写真家が当然もっているものの一つであって、
その愛を一歩踏み込んで、実はただの図像としてしか
見ていない残酷さも併せ持っている
変に内容を持ち込んで感傷やらに流されがちな川内倫子の
偽物どもと、川内倫子が究極的に違うのは、
これだけの画面的クライマックスを目の当たりにしながら、
情緒的な揺さぶりに微動だにしていない
佐内正史の偽物と佐内本人との圧倒的違いも、同じようにそこに
あると思う
とかく日本人の教育不足な鑑賞方法は安いセンチメンタルに
わかりやすいものにばかり流されるのである
癒しとかなんちゃらとか。
勿論、それは日本人がデフォルトで持っている独特のものでは
あるのだけれども、あまりにも鑑賞方法に選択肢がなさすぎる
見終わったときに、図像のトーンに比べて心の内に起こっている
感情の起伏のパターンが全く違うところにあることを発見することで、
川内倫子のある種のドライさをよーく理解するべき写真集だと思う
そのドライさが、この強さになっている