本のタイトルは「ITプロジェクトを失敗させる方法」と少々過激ですが、実際の内容はサブタイトルである「失敗要因分析と成功への鍵」といえます。
ボリュームは150ページ弱と少なめですが、少ないボリュームの割には濃い内容であり、多くの「気づき」を得ることができます。
一方、文章は簡潔で、明確な切り口で体系化されており、テンポよく読み進めることができます。
また、著者の中小企業診断士・プロジェクトマネージャーとしての知識と、実務から得られた業務経験が見事に融合しており、決して「机上の空欄」的にはならず、読み手の経験や知識と重ね合わせることができる点はまさに称賛に値すると思います。
本書の構成としては、プロジェクトの各段階において、
(1)失敗事例
(2)失敗要因
(3)成功への鍵
(4)成功事例
を挙げることで、明快に説いています。
つまり、
(1)こんな感じでプロジェクトは失敗した(当事者の生々しい会話形式)
(2)何で失敗したの?
(3)本当はこうした方がよかった
(4)こうしていたらこんな成功事例になっていた
と、失敗事例から、ゴールである成功事例をイメージすることができる構成になっています。
本書は、ITプロジェクトに関わる者だけでなく、システムエンジニア、プログラマー、さらには他業種のプロジェクトマネージャーや経営者にもお勧めしたい書籍といえます。
久々に出会った良書でした。