仕事上の興味があって手に取った。
著者はITエンジニア出身のコンサルタントとのこと。著者が自身の経験に論理学や問題解決技法の知見を加えて考案したロジカルシンキングの体系、MALTを紹介している。
MALTは、モデリング、ドローイング、ライティング、リーディング、アグリーメント、レビュー、ドキュメンテーションの7つのテクニックからなるが、とくに作図、作文のテクニックであるドローイングとライティングが面白い。プレゼン資料を作るとき「論理的な図」を明に意識することはこれまでなかったので、この視点は新鮮。また、作文についても、文の構造を直線化する「ワンパス・テキスト・ライティング」も実践的ですぐに使える方法である。
著者はロジカルシンキングを
「根拠によって結論を支持する構造を作ること」p39
と定義している。極めてシンプルかつ美しい定義だ。
提案、要件定義といった上流工程の作業やアウトプットは品質の評価が難しいが、本書はそういった人間系のアナログな仕事の進め方や「テスト」の仕方に「論理性」という一定の評価基準を与えるものだと思う。大変に実務的でよく考えられている。感心した。IT系企業の新入社員の方にとくにお勧めしたい。