今日のIT化プロジェクトにおいては、IT化そのものに加えて法律的な問題に適切に対応することが強く求められています。この書籍はそのような時代要請に基づいて出版された時宜を得たものとの感想を持ちました。
まずは、RFP(提案依頼書)を作成する際には、著作権の帰属、損害賠償、知的財産権などベンダーと間での権利の帰属など、プロジェクト遂行の段階では、自社や外注先のSEやプログラマーなどの雇用などが最も大きなテーマです。
この書籍では、上級SEやプロジェクトマネージャなどのITエンジニアが直面する法的問題に関する法律を網羅的にコンパクトに紹介しています。条文を単に転記しただけのものではなく、図解をいれたり、Q&Aのコラムがあったりと、わかりやすい内容になっています。また、法律をシーズ的に紹介するだけでなく、索引が充実しており、現場のニーズから法律を調べることができます。例えば、損害賠償請求権で索引を調べると意匠権、商標権、著作権、特許権などが列挙され、どの法律かわからなくても内容にアプローチでき、評価できます。小説以外で索引のない書籍は価値が半減すると思います。
「生兵法は大怪の基」。従って最終的には弁護士に相談が必要です。しかし、生兵法は問題ですが、兵法をまったく知らないのは大問題です。ITエンジニアとしては、ある程度知っておいて、会社の法務部や法律家に相談すると言うのが重要ではないでしょうか。
情報処理試験受験者にとっても合格後も利用できる良書になると思います。