頭痛など予兆となる症状のほか、うつ病や睡眠障害、摂食障害、脳梗塞などを含めて約30の疾患を紹介している。「失感情言語化症」や「ITてんかん」など、あまり知られていない病気についても、具体的な症例を交えつつ解説する。「うつ病になってから自殺までの期間は意外なほどに短い」、「月間の残業時間が45時間を超えるとうつ病の発生リスクが高まる」など、興味深い記述が盛り込まれており、健康管理の参考になる。
本書は心の病を防止する策として、「しっかり休養を取ろう」、「『適度のいい加減さ』で自分を守ろう」と提案する。そうは言ってもできないのが現実、と反論したくもなるが、まずは現状とあるべき姿のギャップを知ることが、心の病に対処するうえで大切なことだろう。
IT企業で人事や総務を担当している人はもちろん、部下を指導する立場にあるマネジャ層やITエンジニア個々人にも一読してほしい。
(日経コンピュータ 2005/08/08 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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IT業界の状況と、エンジニアが追い込まれやすい状態をきちんと分析しているあたりは、ちゃんとIT業界を理解した上で書かれているなぁと感心。
…というか、ここまできっちりと分析されてしまうとIT業界って随分ひどいところみたいだなと思うけど、悲しいかなこれが現実にある。こういう心の病にかかってしまう人は少なくないし、予備軍も含めればもっと多い。
開発期間の短縮、間違った成果主義、下請けいじめなど、IT業界の暗部がエンジニアを潰していくことが多い。上司や同僚が鈍感で本人の異変に気づかない、気づいても「そんなの大丈夫だ、気にするな」と深刻に受け止めないこともあるだろう。
基本的には自分を守れるのは自分しかしないと思ったほうがいい。そのためにも、少しでも自分の調子の悪さに気づいたら、この本の症例と比べてみよう。そして場合によってはお医者さんに行こう。
この本は悩んでいる本人だけでなく、その周りの人も読むべき。もしかすると自分にも心の病が起こるかも知れないというのもあるけど、あらかじめ症状を知っておくことで会社の同僚とかの異変に気づいて、早いうちに手が打てるかもしれないから。同僚が病んでいく姿は誰だって見たくないですよね?
また、疾患を実例とともに紹介するだけでなく、「危ない兆候に気付くための方法」「心の病の予防策」を紹介。「心の病」という「リスク」をいかに回避すべきかが分かる。これは今や、管理職が正しく知っておくべき知識だと思う。
「心の病の治療法」自体は「専門家にたどり着くまでの道筋」を示した程度なので、参考程度に。
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