タイトルは「導入ガイド」であるが、IPv6のルーターやUTMの通信機器、社会的なインフラが挙げられているわけではない。OSはWindowsがベースで利用方法もクライアントとしての使い方がほとんどである。Windowsを使って、IPv6を知るための本と受け取ればいいだろう。IPv4も”おさらい”として説明しているが、個人的には不要と思える。しかし、初心者向きと思えば親切な内容である。
タイトルに「Windowsで知るIPv6導入ガイド」とすればいいと思ったが、「はじめに」へは次のように著者の思いがそのまま記述されて、内容とも合致している。
“Windowsパソコンを使って「IPv6通信」を体験できる構成にしました。”
クライアントとしての使用がメインであるが、168ページからはちゃっかりとIISも説明されている点は好感が持てる。さらに最後の4章では簡単ながら、ApacheとBINDを取り上げている。
「OCN IPv6サービス」やフレッツ光ネクストを使った「IPv6接続」が親切に説明されているために、NTTグループの社員に最適な本と思える。「これぐらい、NTTの社員なら知っておいてほしい。」と思う内容ばかりで、マルチプレフィックス問題も取り扱われている。NTTの電話受付や営業マンにIPv6を質問して、たらい回しにされた経験は誰もがあるだろう。IPv6はおろか、IPv4のグローバルアドレスなど、基本的なことを質問してもトンチンカンなことばかり返答してしまうのがNTTの相場ではないだろうか?この本ならIPv4の基礎からIPv6のアドレス体系まで、基本に忠実に易しく説明されている。是非ともNTTグループの社員に読んでほしい。
個人的には、Linuxや通信機器の視点でIPv6導入を説いてほしかったため、4章のBINDも内容が浅すぎる。そのため、著者には申し訳ないが、3つ星とした。前提条件を絞り込み、OSはWindowsを使い、サーバーではなくクライアントで使用するという観点で見れば、5つ星の個性的なIPv6導入ガイドである。