初めてDAのアルバムをじっくり聴いた。
実に聴き易い。
楽曲は素晴らしいし、センス抜群のデキだ。
すんなり楽しめる。まったく問題ない。
しかし、これだけ音を重層化させて厚みをもたせているのに、妙にフラットな音づくりなのが不満。
この音響設計は意図的な計算なのか、どうなのか・・・?
ミクスチャーの成否は、音響のポイントを、音の主役を、しっかり据えることにある。
主役が不明確だと、音の立体感が喪失し、結果的に全体の音が弱体化してしまう。
多様な音が、お互いを殺し合うだけで相乗効果が得られないのだ。
(これに失敗している海外ミクスチャーバンドも数多い)
殺し合いは、音そのもののテンションを削いでしまう。
むろんポップスは気楽に聴くためのもので、テンションなど必要ないと言えばそれまでだ。
しかし、これだけ良いアルバム。
もう少し欲張ってもよかったのではないか。
他レビューでも語られていたが、やはり生音の録音が圧倒的に弱い。
空気を震わせる生音は、空気を録音し、それを活かしてこそ真価を発揮する。
生音を主役に音響設計するだけで、もっと良作になっていたと思われるだけに惜しい。
(僣越ながら、もし次回作もラテン的生音を取り入れるなら是非とも改善してもらいたい)
音の空気を楽しめる音楽は、長く愛聴できる名盤になる確率が高いということを忘れないで欲しい。
前作も聴いてみたが、本当にセンスのある音楽家たちだと思う。
問題なのは、彼らではなく、彼らを支える録音スタッフなのかもしれない・・・