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IMF(国際通貨基金) - 使命と誤算 (中公新書)
 
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IMF(国際通貨基金) - 使命と誤算 (中公新書) [新書]

大田 英明
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

第二次世界大戦後の国際金融体制を支えてきたIMFは、世界銀行とともに、ラテンアメリカやアジアをはじめ途上国支援に重要な役割を担ってきた。しかし、問題の多い融資方式に加え、アメリカを中心とした先進国主体の運営のため、途上国・新興国の立場を十分反映していない。国際金融危機を経て、IMFは今後どのように役割を果たし、機能していくのか。今こそ国際金融体制の根本的改革が求められている。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

大田 英明
1955年、広島県に生まれる。1980年、東京大学経済学部卒業。1982年、ケンブリッジ大学大学院修了(MPhil)。経済学博士(京都大学)。1984年、国連工業開発機関(UNIDO)本部職員。1990年、野村総合研究所(NRI)入社、アジア調査部、NRIシンガポール、経済調査部。2005年、愛媛大学法文学部総合政策学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 219ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2009/11/26)
  • ISBN-10: 4121020316
  • ISBN-13: 978-4121020314
  • 発売日: 2009/11/26
  • 商品の寸法: 17.6 x 11 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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By 西山達弘 トップ500レビュアー
形式:新書
かつてのアジア金融危機から、先般のリーマンショックなど国際的に大きな金融問題が生じるたびに耳にするIMFであるが、その実像は今ひとつよくわからない。

本書は、そのIMFの創設から役割の変遷と支援に当たって生じてきた課題、そして将来へ向けての展望をコンパクトにまとめたものである。

その創設は1944年戦後の世界経済体制の安定化を目指すべく、アメリカ主導で、ケインズの主張した国際通貨のような形にはならず、まさにドルを守るべく設けられたという。

ニクソンショックによりこのブレトンウッズ体制が崩壊した後は、その役割も変質し金融破綻した国家への融資とその短期回収を目指した再生プログラムの押しつけが基本になっている。
しかしながら、アジアショック時には一層支援国の経済を悪化させ、ロシアでは国際のデフォルトという事態まで発生させるなど様々な弊害を生じさせているにもかかわらず、リーマンショック後の支援でもそれらの反省を生かしきっているとは言えない。

アジアショック時に日本が提唱したアジア通貨基金構想はアメリカによって骨抜きにされたが、今再び提唱されていることに大いに期待したい。

加えて、ドルの信任が低下しつつある今、将来的にはかつてケインズの提唱していた通貨バスケットによる国際通貨のような仕掛けも必要になってくるのではないかと考えさせられた。

それにしても、IMF創設時にケインズ案が採択されていたならば、どのような世界経済になっていたのであろうか。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 革命人士 トップ500レビュアー
形式:新書
金融破綻国家の「最後の貸し手」国際通貨基金の成り立ちから始まる本書は、批判的に同基金の運営を論じている。85%の特別多数決の上で、16%という拒否権を持つ唯一の国アメリカに配慮して、資本も通貨も徹底して自由化を是とするアメリカ式のグローバリズムに立脚し、融資条件も親米国なら甘い傾向があるという。

経済危機において、IMFの処方箋は1つしかないといい、著者は98年のアジア通貨危機を例に、IMFの融資条件、いわゆるコンディショナリティの厳しさと的外れさを厳しく批判する。特に、増税に歳出減、金利引き上げ、銀行リストラや民営化などの構造改革は短期的な危機克服には役立たなかったとする。IMFのコンディショナリティなら、経済危機国家は金利引き上げで輸入を減らし、返済のために財政収支もさせなくてはならない。しかし、いずれも短期的には薬になるどころか火に油を注ぐ結果になっているという。支出を減らすことで経済成長の鈍化や、さらなる税収減をもたらした。また、金利引き上げで海外からの通貨購入が見込まれるというもの、レートが急落している経済危機国の通貨を買うバカもいないから、下落に歯止めがかからないどころか、当該国を混乱させるだけというものだ。08年以降の不況で先進国がいずれも財政支出拡大、金利引き下げに走っているのがいい証拠だという。

著者の指摘する問題点など、本書の骨子は第一章で言い尽くされている感はあるが、2〜4章でIMFの設立経緯から今日までの流れを一望できる。とりわけ、4章のアジア通貨危機において、IMFのプログラム実施後、不況がさらに深刻化したという論は興味深い。ほかに発展途上国における資本規制の有効性を、経済成長に貢献しない短期資金が流入する危険を、実証を挙げて指摘しているのもうなずけた。批判的ではあるが、重要性を増すIMFの政策を俯瞰的に読み解ける本だと思う。
このレビューは参考になりましたか?
形式:新書
本書はIMFの戦後の歩みを概観している。

しかし、IMFが赤字国に対する融資の条件として課す内容は、
いったいなんなんだろう。いままで気がつかなかったけど。

まるで昭和初年の井上準之助が、金解禁によって
日本の物価を下げ、財政を健全化し・・・といった
そのままではないかと感じた。

ケインズ案とホワイト案をくらべると、
前者は、赤字国も黒字国も責任ありとするのに対し、
後者は赤字国の責任と割り切る傾向が読み取れれる。
ホワイト案によって成立したIMFは、その性格を継承し、
あるいは先祖がえりして傾向を強めているようにも見える。

ケインズが現代のIMFを観たら、
ため息をつきながら、また「貨幣改革論」などの議論をはじめるであろう。
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