IFRSの入門書としては最適な一冊。
近年、日本の会計基準は、IFRSとの段階的なコンバージェンスが進められているが、まだ重要な会計処理において相違が見られる。米国SECがIFRS全面受入れの姿勢を見せたことにより、日本だけが国際社会から取り残されないよう、米国に追随、1年遅れで、2012年に対応決定、2015年より適用の方向で動いている。
日本企業の連結財務諸表が完全IFRS適用か、それとも現在の日本基準を限りなくIRFSに近づけていくか定かではないが、いずれにしても制度上、上場企業はその対応を迫られる。
本書は項目毎に日本基準との比較、仕訳が記載されているため、IFRSの知識を有しない上場企業の経理実務者にとっては、その基礎を理解するための第一歩として有効。
また、昨年度より「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」(実務対応報告第18 号)により、在外子会社を有する上場企業は連結財務諸表作成時、連結に使用する在外子会社単体の財務諸表が親会社同様の日本基準で作成されていない場合、原則としてIFRSもしくはUSGAAPの財務諸表の作成が義務づけられている。その面でも在外子会社がIFRSで財務諸表を作成している場合、親会社としてその理解を深めるためにも有用であるといえる。
但し、簿記知識は勿論のこと、日本の財務諸表等規則、会計基準等にある程度精通していなければ、読む価値はありません。