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けれど、例え言葉が通じなくても、
例え理由なんかなくても、
誰かを信じることも、何かを誓うことも、誰かを護ることも、何かを守り抜くことも、
そして手を繋ぐことも出来るんだってことを、僕は二人に教えてもらった気がします。
言葉も事情も分からないのに、イコはヨルダに何も言わず手を差し伸べるし、
自分を本当に助けてくれるかどうかも分からないのに、ヨルダはイコが差し伸べた手を信じ、時にはとても一人では渡れないような、切り立った崖を跳躍します。
そして二人は手を繋ぎ、また歩き始めます。
そんな二人を見て、僕は初めて、四年前にテレビのコマーシャルで流れていた、
《この人の手を離さない。僕の魂ごと、離してしまう気がするから》
という言葉の意味を知ることができたような気がしました。
このゲームをプレイしているとき、僕は確かに霧に包まれた城の中にいて、白くて細い手を引いて、黒く恐ろしい(でも悲しい)影たちに立ち向かい、美しくも儚い、閉ざされた世界から脱出しよう、少女を出してあげようと、頑なに走り続けました。
ラストでは、涙も出ないくらいに、切なくなりました。
強烈な刺激を求める方には向いてないのかもしれませんが、それでも、一度はプレイしてみてはいかがでしょうか?
僕は今でも、二月に一度くらいのペースで初めからプレイして、心を綺麗にしてもらっています。
この作品の中の、何もかもが、僕は本当に大好きです。
この作品に出会えたことに感謝しています。
以上です。
…読み返してみたら、ぜんぜん参考にならないレビューですね。すみません……
主人公が持っている確かなものは、握りしめた少女のか細い手と、何があってもこの少女を守り抜くという想い。そして襲い来る影から少女を守るための棒切れがひとつ。
静まり返った霧の城で、聞こえてくるのは耳が痛くなるような静寂、高い城壁に吹き荒ぶ風の音、流れ落ちる水の音、風車の立てる軋み、小鳥の囀り。そして手をつないで走る二人の息遣い。
少女は封印された扉を開ける事以外は徹底して無力なので、最初のうちは手をつないで移動することすらが面倒で、遠くからただ少女を呼び寄せるだけでした。
でも物語を進めるにつれて何故か少女と手をつないでいない事がどんどん不安になっていきます。
言葉の通じない不思議な少女は、手を離して放っておくと色々な行動をします。少年を心配して息を呑んだり、めずらしそうに小鳥を追いかけたり、進むべき道をそれとなく示してくれたり。
そして差し伸べた少年の手を信じて、切り立った崖すら飛び越えようとしてくれる少女を見ているうちに、いつしかプレーヤー自身が少年にシンクロしてしまうのでしょう。
謎解きがメインなので一度解ってしまえば二週目からは迷う事もなくなります。
普通なら何度もやろうとは思わないゲームなのですが、ふとした拍子に『もう一度あの感覚を味わいたい』と手にしてしまうゲームです。
あくまで雰囲気や、あの切ない感情を楽しむゲームなので、刺激を求める方には向いてないかもしれません。
でも、たまにはこんなゲームに浸ってみるのは如何でしょうか?
やっているうちに、きっとあの言葉の意味も解ってくるはず。
この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから。