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著者は、ピューリッツァー賞にもノミネートされたことのある実力派ライターである。良き市民でメジャーリーグ報道のベテラン記者がイチローをどう見たかが良くわかるし、米国人が野球をトータルに愛していることも伝わってくる。ドジャースのシェフィールド外野手が、アレックス・ロドリゲスの高給をやっかみ、イチローとシェフィールドのトレード話に発展したとき、マリナーズの責任者は、シェフィールドを叱ったという。「我々のチームの一員として、セーフコ・フィールドで野球をし、ファンと触れ合いたいという、イチローの考えが好きなんだ…。給料が安いと文句をつける短気なスーパースターを連れてくるなど、ファンは望まないだろう。私も同じだ」
4月11日、オークランド・コロシアムでイチローが魅せた「ザ・スロー」で捕殺されたロング外野手が、8回表に、ブーンの打球を全力で追ってフェンスに激突、間一髪で落球したこと。それで多少疲れも残ったことも挿入されている。また、「ひどく寒い中で、7回までベンチで座っていて、あんなふうに投げられる選手はいないよ」(ビューナー)も挿入されていて、公平で広い視座に感心させられる。ピネラ監督のコメント「洗濯物をいっぱい干せそうなスローイングだったよ」のユーモアも良い。
イチローは卓越した野球の才能をもつと同時に、良き市民であり、心から野球を愛していることが、米国人の心を打ったのだと思う。この本は、日米間で最高のコミュニケーションをした男の物語でもある。
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