地球デビュー25周年を記念し行われた2度目の期間限定再集結ツアーは、アメリカ、フランス、韓国の海外公演を筆頭に、北海道の音楽フェスティバルで凱旋とも言える国内でのミサが行われた。ミサ本編のみならず、英語詩で再録され蘇った数々の名曲群、動画サイトの普及により新規参入した海外信者との交流といった活動も含め、正にワールド・ワイドな内容となった今回の再集結。本作は本格的な国内ツアーが行われる以前に行われた海外公演の模様と、現地取材等の布教活動の模様を収録したドキュメンタリー・タッチの2枚組DVD作品。
まず復活後初のミサが行われたダラスは、「小2年会のよう(大学の教室を借りて行われるステージ)」とデーモン閣下(Vo)が音楽誌で語っていた通りの、演奏に必要な機材以外は無いシンプルな舞台で行われている。フランスは「Japan Expo」イヴェントでのミサの為、大きな会場で行われ、このミサを見に閣下のソロ作品で共演したアンダース・リドホルム一家が、スウェーデンより駆けつけたのは有名な話。この海外ミサでは、国内ツアーでは演奏されなかった「THE AKUMA SYMPHONY SUITE Number 666 in C# minor(悪魔組曲 作品666番 変ニ短調)」と「ONI(鬼)」が聴けるので貴重だ。その後の韓国ミサの模様を観ると、韓国にも熱い信者が居る事が判るし、北海道ミサもフェスティバルの為に初めて聖飢魔IIの音楽に接した方も多かったのではないだろうか。本作を観ると、どこの国のどんな趣旨のステージでも柔軟に対応し、質の高いエンターテイメントを披露する構成員の凄さを再認識できる。かつて「ウラビデオ」で、ツアー・プロデューサー大槻氏が「このバンドならセット的に足りない所は、それ以外の手で絶対にカバーしてくれる」と言っていたのを思い出した。
長年の信者にとって興味深いのは海外オーディエンスの反応で、日本の信者同様に全てを知り尽くしている様で、曲前のお約束トークなどでも「待ってました!」と言わんばかりの熱い反応。昔、スペインとロンドンでのミサを収録した「実録!欧州非常事態宣言」という活動絵巻教典が発布されているが、あの当時の海外ミサと今回のミサは、全くの異なった性質で行われている事が判る。パソコンの動画サイトの普及は手軽に楽しめる為に、音楽の価値が軽視されるといった事が懸念される一方で、その手軽さは逆に、様々な国やジャンルの音楽がすぐに聴け、アーティストの情報も簡単に手に入る事は長所でもある。インターネット時代が生み出した、現代社会を象徴する布教活動であり、聖飢魔IIというバンド及び、構成員が生み出した数々の名曲群は時代や世代・国境までも超越し、今尚、色褪せる事無く眩いばかりに輝き続けている。
蒼い惑星(ほし)、地球。9月よりスタートした「ICBM」の国内ツアー第1部のステージには、その地球がバック・ドロップとして掲げられている。偉大なバンドでありながら世間という歪んだ世界の中では迫害も受け、四半世紀もの年月を要してしまったが、ようやく聖飢魔IIが世界的に認められた事実を証明したツアーでもあった。それを思うと、地球を背に演奏する構成員の姿は、重要な意味を持つように感じる。世界に認められた偉大なバンド・聖飢魔II。その偉大な真実が、ここに収められている。