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IBM 奇跡の“ワトソン”プロジェクト: 人工知能はクイズ王の夢をみる
 
 

IBM 奇跡の“ワトソン”プロジェクト: 人工知能はクイズ王の夢をみる [単行本]

スティーヴン・ベイカー , 金山博・武田浩一(日本IBM東京基礎研究所) , 土屋 政雄
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,890 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

IBMがその叡智を結集して開発した、自然言語を理解する驚異のスーパーコンピュータ「ワトソン」。今年2月に全米クイズ王を破り優勝するまでの、技術者の激闘1500日を描く「プロジェクトX」流ドキュメント!

【解説:金山博・武田浩一(日本IBM東京基礎研究所)】

1997年にチェス世界チャンピオンを破ったあの「ディープブルー」から14年。IBMの次なる挑戦は、「生きた言葉」による膨大なテーマについての質問を理解し、応答するスーパーコンピュータ「ワトソン」の開発だった。2011年2月14日から16日にかけて、ワトソンは世界屈指の難易度をほこるアメリカのクイズ番組「ジョパディ!」に出場し、みごと人間チャンピオンをやぶり優勝! その陰には、のべ1500日にわたる、技術者たちの想像を絶するドラマがあった――。発足から歴史的勝利の瞬間まで、プロジェクトの全貌と意義を明らかにする第一級のドキュメント。日本語版では、ワトソン開発に携わった2人の日本人IBM研究員による特別解説を収録。

内容(「BOOK」データベースより)

2011年2月16日、「ことば」を理解するコンピュータが人間に勝った。世界最高の開発チーム、激闘1500日全記録。

登録情報

  • 単行本: 352ページ
  • 出版社: 早川書房 (2011/8/25)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 415209236X
  • ISBN-13: 978-4152092366
  • 発売日: 2011/8/25
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.2 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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23 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 チャーミングな科学ドキュメンタリーにして、優れた「ビジネス書」, 2011/8/26
レビュー対象商品: IBM 奇跡の“ワトソン”プロジェクト: 人工知能はクイズ王の夢をみる (単行本)
非常に読みやすくチャーミングな科学ドキュメンタリーであり、そして意外にも、実に優れた「ビジネス書」でもある。

スパコンとか人工知能と聞いてピクッと反応する、「少年の心をもった大人」なら胸躍ること間違いなしのロボコン的開発物語――と、まずは請け合った上で、ここではビジネス書としての側面を評価したい。つまり、本書が描くワトソン計画の一部始終は、1)プロジェクトマネジメント、そして2)企業ブランディングの、恰好のケーススタディなのだ。

まず1)について。ワトソンの快挙は、IBMの企業精神「グランド・チャレンジ」の賜物だ。数十年先を見据え、あえておそろしく困難な目標を設定し、期限を切ってチームで取り組む。ただし無謀ではない。万一失敗したとしても、技術力は大きく向上するので、費やした努力は無駄にならない。どこまで達成できれば投入したコストのモトが取れるかも、彼らはちゃんと計算しているのだ。

それから2)。ワトソン計画は遊び心に満ちたIBM創業100周年企画だが、むろん単なるお祭り事業ではない。コンピュータ分野における自社の取り組み全体を擬人化し、一つのわかりやすいキャラに昇華させることに、IBMがどれだけ知恵をしぼってきたかが、本書では詳細に語られている。いかに世間に親しみをもって注目してもらうかというのは、パブリックリレーションの基本だ。もう一つは、ワトソンに積んだ自社プロセッサ、POWER7の宣伝だ。人気クイズ番組に出演し、人間チャンピオンに勝ったという実績そのものが、これ以上ないほどの性能アピールになる。

つまり、ワトソン計画は、奇を衒っているように見えて、実はビジネスの基本を忠実に実践しているのだ。久々の、掛け値なしに面白い本だった。

ところで「誤訳」の指摘だが、これは訳者が正しいだろう。ジョパディのルールはずいぶん独特で、回答は「〜とは何(誰)ですか」という「質問形式」でなされる。確かに始めはやや面食らうが、これについては著者自身が冒頭p12で説明しているし、米アマゾンの中身検索で当該個所の原文(p3)を見てもそう書いてあるので、まちがいないと思う。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 純真無垢なワトソンをめぐる人間達の熱いバトル, 2011/9/16
By 
Biochemist (東京都目黒区) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: IBM 奇跡の“ワトソン”プロジェクト: 人工知能はクイズ王の夢をみる (単行本)
 2011年2月16日、クイズ王ジェニングスとラターを見事破った人工知能ワトソンのニュースは世界中に衝撃を与えましたが、ワトソンは生まれた時からクイズの天才だった訳ではありません。本書ではどうやってIBM開発チームの技術者達が、内外の様々な障壁と戦いながらワトソンを鍛え上げて、クイズ王の人間から勝利をもぎ取ったか、という戦歴が刻まれています。

 社内反対派への説得から始まり、人工知能分野における実用主義と理想主義の対立、自社製品の優位性をアピールしたいIBMと娯楽性を優先する番組制作サイドとのルールに関する駆け引き、グーグルを筆頭とする新興勢力に対するIBMの対抗心・・・といった、いかにも人間くさいドラマを縦糸に、情報テクノロジーや神経科学・心理学についての解説が横糸として編み込まれ、壮大なドラマが織り成されています。

 多くの失敗を重ねながらもワトソンは、目標に向かって健気に成長を続けて行きますが、「はやぶさ」に対する「そうまでして君は・・・」のような感情移入は、不思議と湧き起こりませんでした。ジョパディ本番前に早くもワトソンの再就職先が討論されている点など、やはりこのプロジェクトは一営利企業による戦略的なものである、という現実的な側面が感じられたからでしょうか。

 ジャーナリストによる外連味溢れる文章(とそれを余すところなく伝える邦訳)もさることながら、巻末に収められた日本人研究員による解説記事が素晴らしいです。平易で抑制の効いた文体ながら、技術者としての夢と誇りが伝わる素敵な文章には、同じ科学技術に携わる人間として感銘を受けました。

 最後に、本書が誤訳ではないかとの疑問が出されていたので、私も少し調べてみました(YouTubeにアップされている、IBM公式動画の字幕が理由かも)。まずはワトソンよろしくWikiやamazon.comを調べてみたところ、ジョパディのクイズ形式はそもそも考案者の奥さんが「普通のクイズを逆にして、先に答えを出題してから、解答者に質問を考えさせたらどう?」と提案したのが起源だそうで(本書71ページでも説明してあります)、原書でも解答者は疑問文で「質問を」述べています。「答えと質問の逆転」以外にも、「出題文は文字データとして一括表示される」「司会者が出題文を読み終わるまでブザーを押してはならない」など独特のルールがあります。そしてこのルールこそが、ワトソンの挑戦する舞台としてジョパディが選ばれた理由であり、意訳は逆に混乱を招くと思われます。という訳で、やはり邦訳は適切であると感じました。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 面白いドキュメンタリーだった。でも、これを「人工知能」って呼べるのかな?, 2011/9/6
By 
hamachobi - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)    (VINEメンバー)   
レビュー対象商品: IBM 奇跡の“ワトソン”プロジェクト: 人工知能はクイズ王の夢をみる (単行本)
1997年にチェス世界チャンピオンを破ったIBMの「ディープブルー」は有名だけど、今回の挑戦はクイズ番組。ちょっと考えただけでも、その困難さは想像がつくが、その困難に挑んだIBMの苦闘ぶりが面白い。

残念ながら、そのアメリカで大人気の「ジョパディ」なるTVのクイズ番組は知らなかったが、単なる知識を問うだけではなく、問題ごとに賭金を変えていくというゲーム戦略や、問題自体も言葉遊び的な問題やいわゆる引っかけ問題的なものもあり、人間でも勝ち抜くのは困難なことは容易に予想できる。ましてや、それを決められたことしかできない(もちろん、人間と比べれば圧倒的な速さで行うことはできるが)コンピュータが、そのクイズに連戦連勝したチャンピオンたちに勝つのは至難の業だろう。

しかし、その難問をIBMの技術者たちはクリアする。この本では、このプロジェクトの企画段階から、実際の対戦までの苦闘ぶりをコンピュータ技術や脳神経学などの説明を交えながら、非常に面白く描いている。読み応えのあるドキュメンタリーだった。

ただ、これをAI、人工知能って呼んでいいのかは疑問。あくまでも、最新のコンピュータの計算能力を生かした力技での解決で、決して「知能」って言う感じではない。むしろ、回答させるためのアルゴリズムやその「ワトソン」の教育を行った技術者たち、つまり人間の高い「知能」を感じる。

とはいっても、この本の中でも触れられていたように、こういった人間の言語を理解し、瞬時に答えを出すコンピュータの存在が世の中の役に立つこともあるだろう。そのための技術革新のきっかけにはなったのだろうと思う。

この本でも紹介されていたが、いずれこういったコンピュータの計算能力がさらに向上し、いずれシンギュラリティを迎えたら、全く異なった「知能」が生まれるのだろうか?
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