一見とてもシンプルな写真集でした。
写されているのは女性の「からだ」というよりは「身体」といったカットで、
それはセクシャリティを目的としたものではないように感じられました。
「リストカットする若者」から少し距離を置き
「幸せになる為に皆生きているはずで、それでも傷を負う心と体」と見た時、
「写真でできること」を柱にして誘導するテキストや図を無くし、
ある種イジワルに感じるくらいシンプルだけど、
それは、導く場所は、最初の写真が全て表しているからかもしれません。
作者の真意は、(嫌な言い方ですが)リストカッターを包み込む「人が生きること」で、
それは本を閉じて、指紋が着き過ぎる表紙に写る、読み手自身をも巻き込むことだと思いました。