ローラ・マーリンは英のシンガーソングライター。2008年17歳で大手レコードレーベル・ヴァージンと契約し本作が2作目。
本作を一通り聴いた際、真っ先に脳裏に浮かんだのが70年代初頭のジョニ・ミッチェルだった。ギターを軸としたフォークスタイル、
知性を感じさせる優雅なフレージング、複雑なリズムに意識的に入り込み、たたみかけるような歌唱法等ジョニを彷彿とさせる。
全般に低い声域で呟くような歌い方だが、曲のクライマックスで時々高音になるときの美しさも捨てがたい。
ソングライター・アレンジャーとしての能力もかなりのもので、美しい旋律に彩られた10曲は、時にギターと歌のみの構成になり、
時にバンジョー・マンドリン・弦楽器・リズム隊・コーラス隊等の要素を自在に加えたりと、巧みに音楽に変化をつけている。
何より全編を通して、耳元で優しく囁かれるような彼女の落ち着いた語り部としての魅力は特筆もので、聴き手のささくれ立った心
を鎮めてくれる。この感覚は70年代全盛したシンガーソングライター達の残した名盤群にて味わえる幸福感と共通したものを感じ
とても貴重だ。年齢的にまだまだ大成が期待できる注目株の人、これからどんな作品を発表してくれるか早くも楽しみ。