夫のDV問題、ドラッグ問題、離婚を乗り越えての復活作、7年ぶりのスタジオアルバム。
まず、低音ボーカルが印象的な(2)や(9)を聴くと特に、声質が変わったという印象を受けるが、
(昔と比べると少しだけハスキーになった気もする)
歌唱力は少しも衰えず、ゴスペルで培った彼女の歌唱力は本物であると再認識させられる。
以前の高域で伸びる力強い歌声と圧倒的な声量、ビブラートを自在に操る高度な唱法は若干影を
潜めているが、躍動感ある歌いっぷりは相変わらず素晴らしい。
またアルバムはリラックスした雰囲気の聴きやすい楽曲が中心であり、上質のR&Bアルバムである。
育ての親でもあるClive Davisと組んで制作された本作は、何といっても制作陣が豪華である。
R.Kelly、StarGate、Akonが2曲ずつ提供。特に(4)(11)のR.Kelly作品が秀逸である。
ファーストシングルでもある(4)はR.Kelly作、プロデュースにはあのC."Tricky"Stewartも名を
つらねる楽曲で、R.Kelly作品らしいしっとりとしたスローバラード。ピアノの旋律が美しい(11)
も最近のトレンドが散りばめられた美メロミディアムスローで心に沁みる。
(6)はLeon Russellの名曲Song for Youのダンスバージョンカバー。ピアノで静かに始まり
途中からアップテンポに変わるこの曲はアルバムの中でアクセントになっておりGood。
その他、Diane Warren作曲David Fosterプロデュースの(7)、Swizz BeatzとAlicia Keys制作の(1)、
Keri Hilson/Knock You Downのヒットが記憶に新しいTimbalandの片腕Danja作品の(9)など聴きどころ
も多い。Omarion、Trey Songz、Leona Lewisなどへの楽曲提供で知られるEric Hudson作の美メロ
ミディアム(8)も佳曲である。
捨て曲なしの珠玉の11曲で彼女の完全復活を期待したい。
追伸
9月19日付のBillboardアルバムチャートで初登場1位を記録した。
アルバムチャート1位はBodyguardサントラ以来17年ぶり。
このアルバムからはシングルの大ヒットは出ないかもしれないが、ひとまずは成功といえるだろう。