かなり異色の左翼本です。だいいち、ちょっとふつうの日本人の言語感覚ではなかなか思いつかないタイトルだと思います。ジュンク堂では「事件・事故」の棚に置いてありましたが、そもそもこの本が出版されたこと自体が歴史的な「事件・事故」なのではないか? とも思えるまた別の意味であぶない本です。
内容は、読み手自身の立ち位置によって、様々の読み方が可能の本だと思います。私は得体の知れない魅力を感じ思わず買ってしまいましたが、実際のところどういう本として読んでいいのかよくわからないと思いました。80年代後退期の新左翼運動の希有な記録として。女性過激派の青春と愛欲の日々の記録として。とんだ変わり者の自伝として。「愛」を伝導するまったく新しい宗教書として。しかしどんな読み方をしても読み進める間に裏切られますから、一瞬も油断できずいくら読み進めても読み終わるまでは先の展開がまるでよめない本です。だからこそ繰り返し何度も読むほど味が出てきますし、何度読んでも新しい。類書が見あたらないのは確かです。また、この著者がそうとうな変わり者か天才かのいずれかだということもまた今後明らかになってくるのではないかと思い、続編の出ることを期待をしています。