Aaron Nevilleの新作"I Know I've Been Changed"。
2005年に彼の故郷New Orleansを襲った大型のハリケーン・カトリーナの悲劇に遭遇し、彼の自宅が全壊といった被害を受けた。
未だ被害が残る故郷への想いを、彼なりに表現する為に、ゴスペルを主としたこの作品が制作されたらしい。
今作が彼のデビュー50周年となり、彼も既に69歳という年齢。
それにしても、年齢を感じさせない風貌も然る事ながら、彼の歌声も全く衰えを感じさせず、Aaronらしいファルセットボイスは未だ健在。
現役で歌い続けている事、作品をこうして発表し続けている事は本当に尊敬に値する。
この"I Know I've Been Changed"は前述したとおり、ゴスペルのスタンダードナンバーで構成されたアルバムだ。
そして、何よりも特徴として挙げられるのが、プロデューサーにJoe Henryを置いている事だと思う。
ジャズやブルース、そしてクラシックなソウルといった、所謂ルーツミュージックの巨匠達の復活の立役者となり、注目を浴びている彼がAaron Nevilleの新作を手がけると言う事で、期待をせざるを得ない。
また、ベテランピアニスト、Allen Toussaintが全曲演奏に参加しているのも見ものの一つ。
彼自身Aaronとも、Joe Henryとも共に音楽を制作してきた過去もあり、そしてAaronと同じようにハリケーン・カトリーナに被災していると言う事も、この作品への参加に大きく影響しているのかもしれない。
実際に作品の感想はそこまで派手ではないけれど、しっかりと作りこまれた秀作だと思う。
Aaronの独特の歌声はゆったりとしていながらも全曲通して存在感があり、
"Stand By Me"の心地良いアカペラから始まり、シンプルな演奏ながらも歌う事の楽しさが伝わる"I Know I've Been Changed"。
少しカントリーっぽい、Joe Henryらしいアレンジが良い"I Am A Pilgrim"も良いし、間奏のピアノとギターソロが気持ちよい"Live So God Can Use Me"も凄く好きだ。
非常に充実した作品だと思うし、ゴスペルアルバムではあるが、ソウルミュージック好きにも是非お勧めしたいアルバムだと思った。