Britain's Got Talentで準優勝を獲ってからボイストレーニングを徹底的にしたことは間違いないでしょう。私も声楽をしていたので分かるのですが、この短期間でここまでレベルアップしたのは驚異的です。これまできちんとした発声を訓練していなかったのは最初に歌った I Dreamed a Dream の気になる荒さで明らかです。CDでは特に低域のにごった響きが消えてきれいな声に変化しています。声質は曲によっては10代のものになっています。全音域で同じ声質なのもいいです。特に低く小さい声の時の説得力はぞくっとさせられます。
一部の曲でまだ荒さがあるのはアルバム作成と平行してうまくなっているためでしょう。ダイアモンドの原石が磨かれてゆく過程を目の当たりにしているような気になります。素材としてはポッツを越えています。編曲、選曲、プロデュースも何気にお金を掛けている様に思います。意図的と思われますがエコー(正確にはリバーブ)をかけずにほとんど生声で勝負しているのもすごい。声に力があって加工の必要がない感じです。ラッセル・ワトソンやボチェッリは曲によって2種類の声を使い分けますが彼女もできるでしょう。今回ロック、ポップス、クラシック、ミュージカルを歌いこなしたので、今後いろんな曲が聞けそうです。フィリッパ・ジョルダーノの様な色気はないですが、パッションをじっくり伝えるのが上手な感じがします。エンヤっぽかったり、サラ・ブライトマンっぽかったりするときがあってスタイルが固まるのはこれからでしょう。
2ndアルバムはさらに期待できます。カバーしてほしい曲がたくさん思い浮かびませんか。徳永英明さんのようにカバーで曲に新たな価値を与えてくれていると思います。Wild Horsesなんてミックよりいいかも。
このCDを聞いたりyou tubeで動画を見るたびに涙腺が緩みそうになるのは私だけではないはずです。こんなことは久しぶりだなあ。
おまけ1
wiki英語版の記事をたどっていたら色々なことが分かりました。
Suzanは母親が47歳の時に難産の末生まれた。10人兄弟の末っ子。出産時の低酸素症によって脳に障害を受けた。学校では学習障害のためいじめの対象となった。学校卒業後は半年のみ仕事に就いたがその後は無職で教会のボランティア、両親の世話をしていた。携帯電話もパソコンも持っておらずインターネット上での騒ぎを確認できていない。2000年に Cry Me a RiverをチャリティーCDに録音する前にFred O’Neilにボイスコーチを受けていた。歌は教会やパブのカラオケで歌っていた。ローカルののど自慢大会で何度か優勝をしたため母親にBritain's Got Talent への挑戦を勧められたが容姿を気にして躊躇していた。2007年の母の死が挑戦するモチベーションとなった。LAやNYへの移住を勧められているが実家を離れず家族と暮らし続けると明言。Britain's Got Talent の後過労と精神衰弱のため精神病院に5日間入院した。
おまけ2
1、2009年のYou Tube再生回数No1(1憶2000万ビュー) はBritain's Got Talentのsuzanの初登場場面と発表されました。
2、You Tube のWings To Flyの再生回数が40日間で25万回を超えました。日本版でのみボーナストラックなので海外から抗議が殺到しています。アルバムの中でも最もきれいな声ですから当然でしょう。
3,紅白良かったです。ライブでこのレベルのパフォーマンスはすばらしい。声自体に魅力があることを再確認しました。クラシックのベルカント唱法でもミュージカルの歌い方でもなくいろいろな意味で独特です。自然体で直接心に触れて浸透してくるような声です。
話題満載です。目が離せません。がんばれ!Suzan