アメリカのTVドラマを思わせる、ヒプノシスのユーモアのあるジャケを見てるだけでも楽しいです。気に入った方は是非アナログ盤を入手されることをおすすめします。オリジナルメンバーでの10ccの最高傑作でしょう。
発売当初我が国ではイマイチの評判でしたが、こうした高級で粋なポップロックを楽しめる土壌が、当時の日本にはまだ無かったからなのでしょう。
そういえば当時(1970年代半ば頃か?)の音楽雑誌「ミュージックライフ」に日本で過小評価されているバンドの特集がありました。確か紹介されていたのは、ロキシーミュージック、ジェネシス(ガブリエル全開の頃)とこの10ccでした。いずれも私の大好きなバンドばかりですが、カテゴライズの好きな日本人には、従来の価値観の枠の中では、「どう聴いてよいものやら、わからない種類の音楽」だったのではないでしょうか・・・
ところで、本作は電話をテーマにした、コンセプトアルバムで、内容とジャケが絶妙にシンクロしています。軽妙洒脱、辛らつなユーモア・センスとシャープな演奏技術が光る名作です。知的で、センスの良いおしゃれなロックが好きな人におすすめします。
2010年8月11日、遅ればせながら、映画評論家、音楽評論家である今野雄二氏の訃報を耳にしました。今野氏には10ccやロキシー・ミュージック、サディスティック・ミカバンド等センスあふれる大人のロックや映画を多数紹介していただき、感謝の意に耐えません。当時中学生の私が、大人達の目を盗んで観た「11PM」でのお姿が忘れられません。ここに深くご冥福をお祈り致します。