Hot, Flat, and Crowdedは、地球の温暖化、人口の爆発的増加といった世界が直面する緊急問題とその解決策を提示したフリードマンの最新作である。時間に追われる知人のコンサルタントが移動時にiPodで聞いているというので、私も取り残されないように早速読むことにした。
まずは、米国を現在の情けない状況に追いやった元凶の糾弾から始まる。レーガンにブッシュ、自動車産業など先見の明に欠ける横柄な態度の列挙は、まるでわが家の食卓での会話だ。彼がお手本として使うホンダとトヨタには日本人として自尊心をくすぐられる。
フリードマンは最初はこうして自国をこき下ろすが、最終的に米国こそが世界を救うリーダーになるべきだ、と国民の楽観的な性格とヒロイズムに訴えかける。実行が難しいことでも、「やれそう」で「やらねばならぬ」という気にさせる巧みさ、そして専門の中近東外交のみならず世界中のあらゆる産業についての博識ぶり(これだけでも楽しめる)、これがフリードマンの魅力だ。
注目すべきは、フリードマンが語るクリーンエネルギー産業の将来性である。オバマ次期大統領(現時点)が宣言したように、最初は赤字を増やしてでもクリーンエネルギーに投資するという政策が実現したら、米国には後からやってきて他国を追い抜く力がある。日本にはこの闘いにぜひ勝ってほしいが。