75年発表、バークレイ・ジェイムス・ハーヴェストの通算9作目。
夕日に赤く染まった丘の上に一人佇む農夫と、
その横をさりげなく舞う蝶のシルエットが印象的な本作。
ジャケット裏には一転して爽やかな青い空が広がり、
バンドのシンボル・マークでもある蝶はハッキリとその姿を表わして宙を舞います。
紙ジャケはE式シングルジャケット。
付属の紙にこの絵の全貌が載っており、
それを見るとジャケットの表と裏で一枚の絵になっていることがわかります。
そのため、はじめ見たとき“見開きジャケにすべきでは?”と思いましたが、
見れば見るほど、この絵の対比を表わすにはシングルジャケが相応しいのだと気付きました。
内容としては、ポップなプログレッシブ・ロック。
美しい響きを持つコーラスと
幻想的で、どこか切ないサウンド。
ジャケットや邦題にもマッチした厭世的とも思える歌詞。
個々の楽曲はプログレと聞いて連想するような大曲は無く、
どれも4〜5分ほどで、曲の構成もわかりやすく親しみやすいものです。
ビートルズの曲のタイトルを繋ぎ合わせた歌詞が面白い「タイトルズ」や
キング・クリムゾンの「ムーンチャイルド」を意識したような「ムーンガール」などが主な見所ですが、
個人的にはレイドバックな「ジョナサン」や「スウィート・ジーザス」で聴けるアコースティック・ギターや、
一発で聴く者を惹きつける「イン・マイ・ライフ」のメロディアスなギター・フレーズなども本作の重要な部分の一つだと思います。
帯にも記載がありますが、音源は2003年リマスター。
また、ボーナス・トラックとして前作『宇宙の子供』のタイトル曲の別バージョンが収録されています。
ただ、今となってはかなりマニアックなバンドなため
“はたしてこのレビューを読んでくれる人はいるのだろうか?”
と、書いていて少し不安になりますが(笑)、
もし興味を持った方は聴いてみて損は無い作品ですよ。