数年前に亡くなった最愛の母に捧げる、というジム曰く「母へのトリビュート・アルバム」です。コアーズ兄妹の両親は音楽家でもあり、小さな頃から両親の演奏するアイリッシュ・トラッドの名曲に親しんできた4人の、とても個人的な印象のアルバムだと思います。
というのも、アルバム・ジャケットにしても、中の写真(衣装が前作のもの)やデザインにしても、ビジネスを考えて世界に発信するような今のビッグなコアーズではなく、本当に自分たち家族のために、周りに気兼ね無くこじんまりと創った、という良い意味で個人的な印象を受けたのです。
思ったよりアイリッシュ節は抑えられていて、ギターやオーケストラも加えてのコアーズらしいアレンジとなっています。尤も、コアーズはシン・リジィを演ろうがフリートウッド・マックを演ろうが、自然と「コアーズ」にしてしまう程個性的なのですが…。
ボニー・レイットのカヴァー・ヴァージョンで歌ったという“dimming of the day”は、長女シャロンがヴォーカルをとっています。研ぎ澄まされつくしたアンドレアの声と似ている(姉妹ですから)のに、とても落ち着いていて、美しく、優しいお姉さんを、そしてあたたかいコアー家を想像させます…。
こんなに素晴らしい兄妹を育ててくれたお母様に感謝したいです。