2004年2月録音の新作。基本的に“Blue Bossa”と同じ路線で制作されていて、有名曲や新作をジャズっぽい伴奏に乗って歌っている。違いはほとんどの素材が往年の映画からとられていること。伴奏がシンセサイザー主体になっていることだ。アレンジ、プログラミングはミシェル・フライデンソン。わたしはアコースティックな伴奏が好みだが、これはいかにもシンセですといった感じがしない。さいしょ本物のストリングスかと思ったくらいに。
サクソフォンとフルートのローレンス・フェルドマンのソフトなソロが小粋な雰囲気を高めている。ピアニストもうまいが、どこにも名前が見当たらない。これもフライデンソンなのだろう。
聴きなれた曲が多いのに、ポルトガル語で聴くとだいぶ印象が違う。“Here There and Everywhere”など別の曲みたいに聴こえる。チャップリンの“Smile”もルグランの“I Will Wait for You”も新鮮に響く。全体にゆったりもの憂げなタッチのものが多いので、オリジナルの“Tempero Brasileiro”の陽気さ、楽しさが際立つ。これがなかったら単調だったかも。
休日の昼下がりにぴったりの、素敵なアルバム。懐かしさと新しさがともに味わえる。