カエサルのブリタニア侵占(紀元前55年)から香港返還(1997年)に至るまでの英国二千年の歴史を俯瞰したものです。高校の世界史で教わる程度しか扱われていないが、やさしい英語で書かれていますから、あまり辞書のおせわにならずに読めます。やさしいといっても、バカにはできない。たとえば、England is a country, but it isn’t a state という文がある。country と state は、どこがどう違うのか、しっかり勉強しないといけない。
本書は40頁にも満たない小冊子ですが、なじみのない名前も散見されます。たとえば、ローマ人に反抗したボアディケア女王など。またディズレーリの名前は出てこないが、ヘンリー八世の六人の妻は全員フルネームで登場するなど、アンバランスな気がしないでもない。しかし、ヘンリー八世の女性問題に端を発したローマ教会との訣別がその後の英国の進路を大きく変えたことは確かです。本書を読むと宗教というものが、いかに英国人の生活に深く根をおろしていたかがよくわかります。本書は、新教徒と旧教徒、国王と議会の対立抗争を基軸にした英国略史です。