カラヤン指揮ベルリンフィルによる、ベートーヴェンの第九です。収録は1983年9月21日から28日となっているので、コンサートのライブ録音というよりは、ビデオ撮影のための演奏と考えたほうが良さそうです。
演奏はカラヤンの他のDVDと同様、完成度の高いもので、オーケストラのみならずカメラまでカラヤンの指揮で動いているようにみえます。
このDVDに収録されたボーナスのコンテンツの中で、録画されたベートヴェンの第五を観た人が、初めてその曲を「聴いた」と電話してきたエピソードを紹介し、カラヤンは音楽鑑賞における映像の威力を説いています。このビデオの映像がある意味「作り過ぎ」と見えるのも、音楽だけでなく映像でも何かを表現しようとするカラヤンの意気込みが反映しているものと思われます。
日本版のレビューで指摘されているように、この折り目正しい演奏が一見冷たく見えるのも事実ですが、それは第3楽章までのこと。第4楽章になるとカラヤンまでが合唱とともに口ずさんでいます。
一説によると、カラヤンは第九を収録するためにCDの収録時間を70分にするようにフィリップスに提言したそうです。そこまでカラヤンがこだわった第九です。ぜひお勧めです。
なお、このDVDは輸入版ですがRegion ALLですので日本のDVDプレーヤーで再生できます。