1982年5・6月、オールド・クロフト、ザ・ファーム、CBSにて録音。フィル・コリンズのソロ第二弾。パーソナルにはギターのダリル・ステューマー他おなじみのメンバーが並ぶ。前作Face Value (夜の囁き) (1981年)で全英1位・全米7位を獲得し、続く本作も全英2位・全米8位を獲得している。
この前後のフィル・コリンズの活動を簡単に列記してみると、まずジェネシスとして1982年9月、イギリスのミルトン・ケインズ・ボウルズにてピーター・ガブリエルとスティーヴ・ハケットも加わり一夜限りの『ジェネシス復活』を実現、6万人を動員している。その後あのレッド・ツェッペリンのロバート・プラントに請われてソロ・アルバムに参加、かと思えばアバのリード・ボーカルの一人フリーダのソロ・アルバムにも参加と、裾野の驚異的な広さと交友関係の圧倒的な広さを感じさせる活動に邁進していた。その中でのこのセカンド・ソロであるからして予想どおりにすばらしいのである。
どれもすばらしいのだが、やはり『You Can't Hurry Love』が光っている。自身のエンターテイナーとしての(ドラマーとしては超通好みでありながら、ボーカルとしては非常にポップというある意味音楽的二重人格という希有なエンターテイナー)確立を象徴する一曲だと思える。何しろ最近時々無性にフィル・コリンズの元気なボーカルが聴きたくて仕方なくなるのだが、その時に最も聴いてしまうのが本作だ。