2011年のHello!Project正月公演、その中でも特に約1週間行われた中野サンプラザでのコンサートは、モーニング娘。とファンにとって非常に重要なニュースが入り乱れるコンサートとなった。まずは、募集期間も含めオーディションが半年に及んだ9期メンバーが決定し、ステージで発表されたのである。新時代を予感させる期待が膨らむ中、その1週間後、高橋愛の卒業が発表された。こうして短期間で、心の整理も着かぬまま事実を受け止める事しか出来ない日々を過ごす事になったわけだが、Hello!Projectの10年以上に及ぶ歴史の背景が見えてくるセット・リストと構成の「歓迎新鮮まつり」に、改めて本作で向き合ってみると、革命を繰り返し歴史を積み重ね、進化して来たHello!Projectの構造改革が今、正に起っている時期であると言える。
「Aがなライブ」の幕開けは、特徴的なギター・リフと共に「3,2,1BREAKIN'OUT!」でスタート。最初のMCでは、この時点では卒業を発表したばかりの高橋愛より、卒業についてのコメントが述べられ、客席に厳粛な空気が訪れる。次は各グループの新曲を歌うブロックで、レコード大賞を受賞したスマイレージより順に「Bっくりライブ」同様に歌われるが、「女と男のララバイゲーム」は本パターンのみの披露。アルバム・ヴァージョンで歌われ、シンフォニックなイントロに合わせて、モーニング娘。メンバー5人がソロ・ダンスを披露し、曲に突入する流れだ。そのモーニング娘。の9期メンバーに選ばれた4人も、この収録日は都合で1人欠席しているが、お披露目としてステージに3人登場し自己紹介とトークで、各人の個性をアピールする。さて、ここからが「Aがなライブ」のスペシャル・ブロックで、プッチモニVの「WOW WOW WOW」を筆頭に「デコボコセブンティーン」「ガタメキラ」「恋愛戦隊シツレンジャー」といったレアで懐かしい選曲で組み立てられ進行。High-Kingのメンバーとして歌う高橋愛を見ると、ファンにとっては残された時間を一瞬足りとも無駄にしてはならないという気持ちが強くなるのではないだろうか。「スクランブル」は、この公演の中での間違いなくひとつのハイライトであった。
2ndアルバムを発表した真野恵里菜の「Ambitious Girls」、℃-uteの未発表曲「超WONDERFUL!」といったコンサート初披露の曲も歌われ、ラストは客席との一体感が感動を呼ぶ「友」「青空がいつまでも続くような未来であれ!」の2曲で終わりを迎えた。最後に、各メンバーが感謝を込めファンに手を振り去っていく時の、モーニング娘。5人と9期の新メンバーが横一列に並ぶ場面に注目したい。新メンバーは、まだ研修生といった感じの服装で、この時点ではまだ作品は発表されていなかったが、このメンバーがこれからの新時代を切り開く新生モーニング娘。の貴重な集合ショットである。時代と共に仕舞われていた楽曲を大胆に取り込み、「Bっくりライブ」も合わせてHello!Projectの長きに渡る歴史と伝統、現在、そして未来への方向を示唆する絶妙なバランスの上で成り立った正月公演であった。公演で歌われた各グループの新曲、ラストの新生モーニング娘。の姿は、未来への羅針盤と言えるだろう。