筆者のBiggsはMorgan Stanleyで30年以上を過ごし、そのリサーチ部門を立ち上げた人物で今世紀になってからは自身のヘッジファンドTraxis Partnerを設立している業界の生き字引のような人物である。
その彼が本書ではヘッジファンドの歴史やそれに関わってきた人々(Hedgehog ハリネズミの意。ここではHedge+Hog 貪欲な人を掛けていると思われる)、その投資手法、パーフォマンスを中心に語っている。まず驚かされるのは彼を含めてヘッジファンドのパーフォマンスのボラティリティー(予想変動率)が極めて高いことだ。ポジションにレバレッジ(てこ)を効かせていることもあるが-30%というのは当たり前で-50%ということもある。その状態が一年ならず2〜3年続くこともある。この局面でどのような対応をするか、またその日々のストレスに耐えられるかが良いHedge Hogsになれるかどうかと彼は言う。また最後の方では「明日の新聞を読む投資マネージャー」の話や「雇用、利子、通貨の一般理論」で有名なケアンズの伝記にも触れられていて興味深かった。
今日、村上ファンドが注目されていたり、また個人投資家による株式投資も盛んになっているが、是非とも投資に関わる人達には目を通すことをお勧めする良本である。