ジャケットに、heathen(異教徒、品行の悪い人)というタイトルが逆さまに印刷されているのは、その逆という意味なのだろうか。
相変わらずひねくれた人である。
2002年発売の本作は、トニー・ヴィスコンティがプロデューサーとして名を連ねたことでBowie復活を期待させるものだった。
だが発売当時、ファンの評判はあまり芳しくなかった。
70s作品のようなトータルコンセプトのしっかりしたアルバムと思いきや、ただの新曲集といった冗漫な印象があったし、ニール・ヤングのカバーである#6やピート・タウンゼントが参加しシングルカットされた#4などにも、際立った目新しさが感じられなかったように思う。
だが本作の魅力はじわじわ効いてくることだ。
忘れた頃に聴くと意外なほど心に響くフレーズが多い。
妙に能天気に思える曲調の#10など、繰り返し聴くと恐ろしいほどシニカルで、隙のない大人の視点で歌われていることに気づかされる。
またドラムが「いい音」で録られているのも特徴だ。
ドラマーのクレジットを見ると殆どの曲をBowie自身が叩いている(笑)。
REALITYツアーである2004年公演でも本作から演奏された曲は多かった(#1,2,5,9,12など)。
個人的には日本公演で聴くことができた3は感慨深い名曲だ。
Bowie近年の自信作であることは確かだと思うし、もっと評価されて然るべき作品と思う。