2012年2月号のコンテンツになっている論文は、リーダー教育、職場の人間関係とモチベーション、ビジネス・アスリートの習慣、ハイパフォーマーの人脈、意図せぬ交流を生み出す職場デザインといった、非常に興味深いものばかり。以下、特に気になった記述をピックアップします。
・多くの科学者たちの研究により、いくつかの分野で、人間は想定されていた以上に協力的で私心がない、あるいは自己中心的な行動を慎むという証拠が見つかっている。(中略)統制またはアメとムチを使ってやる気を引き出すというやり方には無理がある。我々が必要とするのは、人と人との絆やコミュニケーション、共通の目的意識や一体感を拠り所とするシステムである。(p13)
・「結果を重視する」と「人間関係を築く」というコンピテンシーについて見てみよう。前者はかなり得意だが(つまり75パーセンタイル以上)後者はそれほどではないリーダーの場合、優れたリーダーシップ水準、すなわちリーダーシップ効果全般で90パーセンタイルの域に入っている人はわずか14%だった。かたや、後者は得意だが、前者はそうでもない人たちを見ると、その割合は12%足らずだった。ところが、両者のコンピテンシーの成績が高い場合、驚くべきことが見られた。両方とも75パーセンタイル以上の人の72%が、何とリーダーシップ効果全般で90パーセンタイルに達していたのである。(p29)
・仕事中に「感情」「モチベーション」「認識」を高める可能性があるすべての要素のうち、最も重要なのは「有意義な仕事の進捗を図る」ことである。そして人々は、そのような進捗を感じる頻度が増えれば増えるほど、創造的な仕事の生産性を長期に高めやすくなる。(p42)
・仕事において、あなたが目標とすべきは、「自分の好きなこと」「最も得意なこと」、そして「組織に付加価値を提供できること」という、三つの領域が交わる部分に最も時間を費やすことである。(p59)
・卓越の境地に至るまでの過程には、苦労が山ほどある。(中略)仕事が大変な時は、机を叩きたくなったり、その職務を投げ出したくなったりすることもあるだろう。だが、その仕事が終われば、あなたの脳はそれだけ強化される。また、あなたはそれに耐えたことを、喜ばしく思うはずである。(p65)
・コンサルティングに入ると、まず生産性を阻害しているものが目に入ってくるでしょうが、そのなかで最もたるものはなんですか?アレン:気になった事柄を記録しないことです。それをきちんと認識し、具体化させないのです。しかもそれは、組織や個人の意識のなかで堂々巡りを続け、エネルギーを消耗させ、大きな心のわだかまりとなるのです。(p82)
・90%の人が午前中真っ先に片づける仕事はeメールのチェックです。ですが、そうすると、その人が最初に片づけようと考えていた仕事が、ほかの人がしてほしいと考える仕事にすり替わってしまいます。(p84)
・業績でも幸福度でも社内で常に上位20%に入るビジネス・リーダーは、デビーのように、多種多様だが厳選された人脈を持っている。それは、複数の異なる分野の人々、さまざまな職位の人々との、質の高い人間関係から成り立っている。(p92)
・マネージャーたちは、報告書の作成に全体の40%の時間を、また調整するための会議に30〜60%の時間を割いている。(p113)
・他方、オープン・スペースではプライバシーが保ちにくいため、打ち解けた会話が進まず、むしろ交流の妨げになる場合があるという証拠もほぼ同じだけある。オープン・スペースでは、社員が立ち聞きされたり、じゃまが入ったりするのを気にして、そうでない場合よりも話が短く表面的になるとする研究もある。(p126)
人材育成担当者にとっては、特に「リーダーシップ・コンピテンシーを補強するスキル」(p30, 31)の図が非常に有用だと思います。ここだけは、立ち読みでも眼を通しておくことをお勧めします。