十代の終わりごろ、これを聴きながら、原付に乗って夜な夜な都内を走っていたのを思い出します。妙に心地良いクールジャズよりのフォーク・ミュージック。アシッド・フォークと言われる所以なのですが、彼の諸作には一般的なフォークミュージシャンには無い、フリージャズ的な要素とソウル的な持ち味がみなぎっています。かといって、スティルスの1STアルバムの様な器用な洗練さとは持ち味が違う所も異端の兆候ではないでしょうか?
同じく、フレッド・ニールの影響下にあるボブ・ディラン等とも違う、孤独な音を出すミュージシャン。今、再び聴き返すと、妙にマイルス・デイヴィスの「カインド・オブ・ブルー」を彷彿させます。実際、当時、彼はサイケデリックな方向には突き進もうとはせず、コルトレーンやマイルスに興味を持っていたという様で、確かにそうだろうという風に思えます。
バックミュージシャンもジャズ寄りの方々が参加。以降、フリージャズ・アヴァンギャルドへの傾倒が著しく、職人というより芸術家への道を歩むバックリー。その中でも、現在アナログ盤のみ再発されている「ブルー・アフタヌーン」と合わせて、ジャジーな彼の持ち味はこの作品で開花されている。当時、22・3歳のミュージシャンの作品とは思えない渋い音。当時の彼と今現在、同年齢の私は明らかにこんな曲は創れません。尊敬します。脱帽!