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HUNTER×HUNTER 30 (ジャンプコミックス)
 
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HUNTER×HUNTER 30 (ジャンプコミックス) [コミック]

冨樫 義博
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (149件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

失われた王の記憶を巡り、進められる王とプフの勝負。王は“円"に反応したウェルフィンの下へ。そして追い詰められたウェルフィンの一言が、王の記憶を呼び覚ます。一方パームが語る、王に使った爆弾の正体とは!?



登録情報

  • コミック: 208ページ
  • 出版社: 集英社 (2012/4/4)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4088704509
  • ISBN-13: 978-4088704500
  • 発売日: 2012/4/4
  • 商品の寸法: 17.2 x 11.2 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (149件のカスタマーレビュー)
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211 人中、176人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:コミック
これまでのすべての敵を否定するかのような、圧倒的な強さを誇っていた王、メルエム。
「こんなん勝てねーよ……」と読者みんなが思っていただろうし、反面「どうやって倒すんだ?」と想像をふくらませてもいたでしょう。俺もそうでした。

その結果が、ここにあります。
なぜ『王』は王であったのか。王とは何なのか。彼自身が問い続けてきた答えが、すべて彼自身に返ってくるのです。

何より衝撃的だったのが、パームと王の対話。

「ただ頼むだけ」の王と、それを拒絶するパーム。この構図、どこかで見ませんでしたか?
そう、26巻のゴンとピトーです。あの時ピトーは、跪いてコムギを守ろうとしました。それに対し、ゴンは行き場のない思いをデタラメにぶつけていました。それが間違いであると気づきながらも。

パームは、人とアリとの境目に立ってしまった。それは人間であるキルアたちへの思いと、アリである王への思い(忠誠)、両方を抱いてしまったということ。
もし人間のままだったなら、キルアとの約束を優先し、残酷な決断を下していたでしょう。人間が残酷であることは、作中でもパーム自身が語っていました。
しかし、アリであること、王への忠誠が何かをわかっているから、王が頭を垂れることの重さ、境界線を理解してしまっている。
それ故に、パームは王の気持ちを汲み取る。

アリがアリでなくなっていき、ヒトがヒトの道を外れていく。ピトーは母性愛を手にし、プフは献身を手にし、ユピーは人間臭い「矛盾」を手にした。
そして王は、すべてを受け入れる愛情、彼自身も言っていた「神の領域」を掴みかけていた。

しかし、「ほんの少し違っただけ」で――ネテロが対話を受け入れなかったから、ゴンがピトーを倒したから、コムギと出会ったから――王は王でなくなり、『メルエム』となった。

そしてメルエムは、ヒトであるコムギの下へと寄り添う。彼は、誰しもが探している『帰る場所』を見つけた、幸せ者なのだろう。

言ってしまえば、メルエムは死ぬために生まれた。死ぬ瞬間のために生まれた。彼はそう悟った。
でもその瞬間とは、何よりも美しい『愛情』を見つけた瞬間だったのである。

だからこその『薔薇』であり、『蝶』であったのかもしれない。

長々といろんなことを書いてしまいましたが、それほどにこの巻を通じて感じた思いが大きい、ということなんです。

安っぽい感想ですが、何回読んでも泣きそうになります。
このレビューは参考になりましたか?
322 人中、263人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hide
形式:コミック
ジャンプ黄金期に地位を確立した戦闘・対戦が絡むマンガは、「戦力のインフレ(単純な物量勝負)」「ストーリーのワンパターン化(単純?キレたら何故か勝つ?)」「敵の意図が意味不明(単純な悪?敵の人格が実質存在しない?)」等、ストーリーが続かない様々な要因を抱えていました。 そして最初は面白かったけれど、段々新鮮さが続かなくなり、ジリ貧になって終わっていくマンガを数多く見て来ました。

しかしこの作品は、前述した戦闘モノが抱えてきた問題をハイレベルに解決しているだけでなく、その先を行っています。
ストーリーや伏線回収の多くは読者の予想の斜め上を常に行っていて、かつ徹底して合理的です。
敵を含む各キャラクターの個性、知性、狡猾さも群を抜いています。

戦闘モノにありがちなパワー勝負は、パワーや能力を使う登場人物への一体感というよりは、読者を観客の目線で楽しむ第三者にさせますが、この作品では各々のキャラクターは明確な目的を持ち、限られた能力と情報と時間の中で必死に策を立て、覚悟を持って行動します。
その過程がきちんとした文章で描写されていて、それでいて思い通りの結果にならないから、キャラクターを応援する立場ではなく、その状況で何をすべきかを考える一個人として感情移入をすることができるのです。
一つの価値観やパワーを妄信し、訓練や感情的な爆発のみで何かを解決するのではなく、何をなすべきかを考え続けて最適な判断と行動が出来た者が目的を達成できるというのは、何が正しいかが変わり続ける今の時代背景にも則した作品なのではないでしょうか。

推理小説のように予想を裏切っていて合理的ですが、推理小説と違うところは、ストーリーの中で自分が感情移入をし続けたキャラクターの死や喪失が含まれることです。
普通少年マンガの読者は気に入ったキャラクターの死を恐れていて、死んでも生き返る設定にしたり、多くの敵を仲間に引き入れてストーリー終結したりといった形で作者もそれに応えてきましたが、それは読者を安心させ、傍観者にさせると共に、作品全体を甘ったるく緩やかな死に向かわせます。 
この作品の喪失の表現には、涙が出ました。

そして、絵が素晴らしい。
今のマンガはCGを使ったりして全体的な絵の緻密度やリアルさを向上させてきましたが、それはあくまで均質な画質の底上げであり、また表現の自由度を狭める要因でもありました。
この作品は、全体的な絵の緻密さという意味ではそういったものに一歩及びませんが、ストーリーの肝心要の部分の表現は、各々のキャラクターが能力の限界を持って目的達成を試みた結果としての、覚悟・恐怖・怒り・悪意・失意・愛情といった様々な感情が、背筋の凍る様な線画によって表現されています。

飛び抜けています。 そして、巻を追うごとに面白くなっています。
多少大袈裟に聞こえるかも知れませんが、もしもこの巻を読み終えたファンの感情を直接読み取れたなら、「これほどとは・・・」と納得して頂けるのではないかと思います。
このレビューは参考になりましたか?
72 人中、59人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By
形式:コミック|Amazonが確認した購入
他の少年漫画のような力で解決!どん!
といった決着ではないのでそういった展開を期待していた方には腑に落ちない点も多々。

個人的に思うのだが、キメラアント編のメルエム(=王)というキャラクターは生物の欲を、如いては人間の欲をストレートに体現した存在だった様に感じる。生まれてすぐに、食を欲し、力を欲し、知識を欲した。コムギという鍵となる人物に出会い自身を客観的に見るようになるにつれて他から認識される事、つまり名前を求め、本当の意味での平等な世界を求め、そして最後に求めていたものにこの巻で気付く。

28巻のレビューでも少し触れたが、
まさかボードゲームである軍儀(作者がこのエピソードの為に考案したチェスのような盤上競技)がこうも物語の複線として複雑に絡み合い役目をなしていたとは、この物語の展開の妙は流石としか言いようがない。

このキメラアント編のキーワードは狐狐狸固。王を孤立させ一気に相手の牙城を崩す軍儀の戦術の一つだ。
王に放たれた本当の最後の一手。必見です。
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