まず気がつくのは、不自然な日本語がそこかしこに見受けられることです。
いくつかあげると、
・ベキ乗を分数に行なう数式は、計算機の高機能を必要とします。
→分数を累乗すると読めるが、前後関係から判断すると、ある数の分数乗(指数が分数)のことらしい。
・アメリカ合衆国では債務不履行のない利子率をもっている最新の測定値は、アメリカ合衆国財務省短期債券、中期債券、長期債券にかかる利回りです。
→測定値って?
・わたしたちは、単利を用いる方法に驚かれるべきではありません。
→驚かれるべき…
・(巻末の謝辞で)無断で複写もしくはデジタル化してご使用にならないでくださいますとともに、法令に抵触する翻訳・翻案はご遠慮ください。→ならないでくださいますとともに???
また、統一されていない用語もあり、例えば、
ある箇所では「代数的に解く」と書かれているかと思うと、別の場所では「アルジェブラ計算」、他の場所では「Algebraicで表現すると」などいろいろ。
設例(例題)や解説のわかりやすさに関してもいろいろで、よくわかる例題や解説もあれば、異様に難解な問題、何を求めればいいか分からない問題、条件の数値(利率など)が問題文中になく解説のほうでいきなり出てくる例題などがあります。
また演習問題については、「演習問題1」「演習問題2」などの表示はあるものの、(信じられないことに)問題文そのものがありません。演習問題2では「数式を用いて、次の質問に答えてください。」と書かれているものの「次の質問」がないのです。
高い評価をしている方もみえますが、はたしてその方々はきちんと本文を読んでいるのかと疑ってしまうほど内容は雑然としており不統一である感が否めません。何か種本があり、複数の部下や学生に翻訳させてきちんと見ずに原稿を出し、出版社もちゃんと校閲せずに出版するとこういう本ができるのではと勘ぐりたくなります。
名目複利や実効金利など丁寧にかかれていてわかりやすく、電卓付属の例題を解くときにも役だちました。次の改訂ではこのような説明が増え、より親切な本になることを期待したいと思います。