長いこと「大泉洋が入り口でした」というファンが多かったTEAM NACS。
そこからハンサム(笑)や笑いへ引き込んでリピーターを着実に増やしてきた。
特にここ数年の彼らの伸びは、全国に露出し始めたことで得た経験も確かに大きいが、
彼ら自身が“いよいよ引き返せない、小さくまとまってはいられない”と自覚したことによる気がする。
その顕著な例が安田顕。
以前から目を引く存在ではあったが、顔立ちのスマートさやそれに似合わない特異なキャラや
勢いというものを借りずとも、主人公として安心して感情移入できる役者になったように思う。
演技の上でいちばん成長したのはこの人なのかもしれない、近ごろ益々イイ顔をしている。
そして森崎博之。
脚本が作品ごとにシンプルになってきている。 素直な性格が見えるというような。
動員数が増え、純粋に“ナックス好き”だけが観に来るわけではなくなったTEAM NACSの芝居。
その方向性を、手探りながら驕ること焦ることを押さえ、等身大に素直に書いたリーダーに成長を見た。
大泉洋が“客寄せパンダ”だった10年前から、忙しすぎて主役は張れないであろう現在まで、
その時々の「洋ちゃんを観にきました」という芝居ビギナーに、飽きさせず疲れさせない演劇を提供し、
お芝居って面白い! と言わせてきたリーダー。
5人のキャスティングの妙に、この人でしか作りえないTEAM NACSオリジナルが現れている。
どれだけ大泉クンが売れていても、今見せるべきはヤスケン! というリーダーとしてのプロデュースも当たっている気がする。
これだけ多忙になってきた中で、あえて太鼓の見せ場に挑戦したことも、素直に褒めてあげたいと思う。
意地悪でカラい目で見ることはいくらでもできるけれど… 世知辛い世の中、
ここまで真面目に正直に取り組む若者も少ないので、観る方も薀蓄や先入観を忘れて、
素直に北海道の温かさを感じてみてはいかがだろう。