「彩り」
DVDで伝えられるのがこの歌詞のメッセージについてで、DVDを見て初めて、この歌の本当の良さに気づかされました。同じルーティンを繰り返したり、こんな事しててどんな事があるんだろう、とか「こんな事やってて、成果があるのかな」とか考えてる時に意味をつけてくれる、貴重な曲です。この歌によって、色んな単純作業に、良い意味を見つける事ができました。メンバーは、この歌詞を五月病になった新入社員の為に、五月に出す案も考えたとの事。
「Wake me up!」「箒星」「通り雨」。
桜井和寿の歌詞は、「俺、明日からちゃんと働くよ」と言ってるヒモみたいだと言う評価を聞いて、言い得て妙だと思ったのですが、常に彼の歌詞には、「自分には何かが足りていない」と言う欠落感がついてまわっている事が多くて、勿論「これができてない」と言う欠落感は多かれ少なかれ誰にでもあるものなのですが、そこをブレイクスルーしていく歌詞を造り出していって、安心させられる。それが、嘘っぽくないのは、サビへの展開の仕方であると思っていたりします。マイナスからプラスに転じた時の心地よさ、ですね。
「Another Story」
メンバー曰く「彩り」が槇原くん(敬之)が作ったのをブルーハーツが歌っているイメージと言う事なのですが「Another Story」の方が槇原敬之っぽいなと聴いてて感じました。光景が浮かんでくるような曲で、感情移入しやすいですね。調子に乗って大切にしなくて、「ごめんね」って気持ちでいっぱいになる、非常に共感させられます(笑)「この歌が好きな人は謝りたい事が沢山あるんでしょうね(笑)」by JEN でも、彼女はそれでも「笑って」て、「ごめんね」って言葉も、好きだったんじゃないかな。
「もっと」「PIANO MAN」
背中をそっと押してくれたり、どこか心に引っかかる物を、一つの「物」に投影し、その比喩の中で展開するのがとても上手で、それが「ファスナー」の中に誰もが隠しているさらけ出さない自分であったり、ゴム一枚分の「隔たり」であったり、包んでしまって忘れてしまった「CANDY」であったり、そしてそれがタイトルになっていく事が多くて、「この使い方をさらに洗練させていくんだろうなぁ」と思っていたら、段々と表現はシンプルになっていき、非常に直接的に言っています。「PIANO MAN」に至っては仮タイトルをそのままタイトルにしたそうで、「やられた」と思わされました。率直で好きです。「もっと」は9・11に触発されたもの。聴く度に色々な「理不尽」を考えて、それぞれの「もっと」を考えてしまいました。
「やわらかい風」「フェイク」「ポケット カスタネット」「SUNRISE」
アルバムの中で、一つだけコンセプトの色を持ったフェイクが存在するため、その違和感を感じさせない為に、一連の流れになるように前者のアウトロと後者のイントロに工夫が見られます。唯一、アルバムらしい流れを感じさせる部分です。個人的には、幻想的なポケットカスタネットがメロディとして一番好き。ところで、「それすら(フェイク)」のそれとは、何がフェイクなのでしょうか?「今信じてたりするそれ」すらなのか、「フェイクと感じた物」すらフェイク(=ホンモノ)なのでしょうか。
「しるし」
自分の手に届かない物は全て自分が本当に知ることができないところで、そのディスコミュニケーションの部分をフェイクと捉えるのなら、真実は自分が触れられる部分にあるんですね。
例えそれが、今から高まっていく愛情であっても、離ればなれになる寸前の愛情であっても、やっぱり愛しい事には変わりない、のかも。
「あんまり覚えてないや」
自然体の極地で、とにかく体と心を楽にさせてくれます。きっと、「世界中を幸せにするようなメロディ」って、このメロディでは??でも、あんまり覚えてないと言われてしまうと、仕方ないですね(笑)こんなにもいっぱい、ちゃんと覚えてる事だし。
「叫びたくなるような感じ」をテーマに作られた前作と違い、今回は「実際に叫んでます(笑)」と言う「叫び 祈り」から始まる今アルバム。「叫びたいなら、叫べばいいと思った」からだそうで、このアルバムはこうだから、こうアレンジしよう、と言う規制がない、そういう意味でシングルのカップリングに近い、コンセプトを置かない感じで、「普段着」に感じられた「シフクノオト」や「I LOVE U」よりももっと開放感を感じさせ、ともすれば「伝わりにくい」物を作っているように感じました。
ナカケーがスケボーだったかな、その行きにこのアルバムを聴いたら、「ちょっと違う」と思い、あんまりいいアルバムとして聴けなかったそうです。でも、帰りの道で聴いたら、すごく良かった。最初から何かを求めていると、その欲求に答えられるアルバムではないのかも知れません。アルバム一枚に、意味をつけていないから。けれど、ナチュラルな時に浸ると、アルバム一曲一曲の良さが、見えてくる。そして、それまでのアルバムよりももっと、「アルバム」から解放された曲達を楽しむ事ができる、そんなアルバムだと思います。
それで、その曲がいいな、このアルバムいいな、って思ったら、きっと歌詞がナチュラルに頭に入ってきて、色んな事を気づいたり、大切にしたいと思ったりする、そういう事が増えてくれると、嬉しいですね。