会社の後輩が話題にしていたので試しに読んでみた。なかなか面白い、いや、痛いところを描いたマンガである。少年・青年マンガばかりを読んできた人間にとって、内面の描写でストーリーが展開するのはとても新鮮。一方で、内面ばかりでは飽きてしまうこちらの思いを見透かしたかのように、オムニバス形式を利用してアクシデント起因のストーリーを差し挟んでくるところは、さすがといったところか。後輩二人は本書の描き出す意味をわかりかねるところがあったようだが、人前でそれを認めてしまうことがはばかられたのかな、なんて邪推してみたり。ふだんの生活のなかで誰しも感じる、人には知られたくない痛いところを付くものの、決して暗澹たる読後感を感じさせない、巧みな作品ではなかろうか。