すでに「青春」を通り越し、普通に悩み、普通に苦しみ、普通に幸せを感じて毎日暮らしている。馬場さんは、そんな僕たちの気持ちの代弁者です。
収録されている歌を聴くと、今まで自分で意識すらしなかったのに、それでも自分の気持ちにぴったりなコトバが次々に繰り出されて、涙がこみ上げてしまいました。 力強く励ますのではなく、そっと背中に手を添えてくれているような、そんな世界観は健在です。とりわけ、「ターゲット」である30台後半あたりの貴兄は、「世界」に浸りやすいと思います。
思っていても上手く言葉にできないこと。無意識で思っていること。それをコトバで表現されたとき、それが綺麗なメロディーに乗ったとき。心が浄化されることがわかります。このアルバムを聴いて、強くそう思いました。
今作で個人的にグッときたのは「右と左の補助輪」。子どもに向けた愛情たっぷりのうたですが、馬場氏にとっての新機軸です。僕らと一緒に年齢を重ね、それに応じてテーマも寄りそってきた流れからは「必然」なのですが、やはりこれも自分のシチュエーションが重なって、涙、涙、涙でした。
馬場さんのうたと一緒に歳を重ねられる幸福を、つくづく感じます。馬場さん、これからも僕らの年代(昭和40年代前半生まれ)の代弁者でいてください。