ユニークな3枚組
1枚目:「Chet」
洒落たジャケットの人気盤。静かな演奏集だが内容豊かな傑作。
何とサイドにBill Evans、P.チェンヴァース、P.J.ジョーンズ、K.バレル
等など豪華。バレルの伴奏が優雅で美しい。リズム隊しっかりで、全体に締りと緊張感がある。
聴き流すのもよい、がじっくり聴くと晩年のChetと異なり音に艶がある。
一音一音、よく吟味した丁寧な演奏である。
が、晩年のような古志野茶碗の如き独特の枯れた趣はまだない、が何度でも聴きなおしたくなる。
2枚目:「The best of Lerner & Loewe」
マイフェアレデーイの曲などを取り上げた個性的な盤。初めて耳にした。
演奏は素晴らしい。
P・アダムズが従来のイメージと違ってソフト、端正な音色で、まるでマリガン、チェットの
初期のコンボのような演奏になっている。合間の端正で透明感のあるピアノが素晴らしいと思ったら、
これもエヴァンス、さすがこの頃から目立っていた。
Z・シムズのテナーも洗練され尽くしたもので完成度高い。H・マンのフルート、アンサンブルを
スッキリとさせすがすがしい。
ただ、惜しいかな、まるでお風呂場で録音したような不自然なエコー処理、これが台無しにして聴きぐるしい。
普通の録音だったら文句なしの星5個。
ボーナスにS・ゲッツとの共演もあり、ゲッツの骨太な演奏、こちらも大変良いでき。
3枚目「Chet Baker & Crew」
有名な作品。56年にしては趣が異なり響きがモダンだなと思ったが、
ピアノがファンキーでヘヴィーなB・テイモンズ。
彼の伴奏が全体に強く影響、これが成功している。
ウエストコーストというよりもイーストの熱く新鮮な息吹を聴き手に意識させる。
廉価だし、お買い得。