ジョン・レジェンドやNe‐Yoの躍進ばかりが取り上げられがちだが,今のR&Bシーンは男性ソロが「群雄割拠」状態。その一角を担うのがアーバン・ミスティークだ。熱唱を重ねるあまり声帯が焼け焦げてしまったのではないかと思わせるようなハスキーでディープなヴォーカル。正統派バラードから今時のアップテンポまで自分のスタイルに昇華してしまう適応力の高さ。日本での知名度は今ひとつかもしれないが,決して忘れてはいけない存在だ。
タイトルから察すると,今回のテーマは「古き良きソウル・ミュージックを現代へ」ということになるのだろうか。カントリー調だが,ゴスペルにも通じる温もりを感じさせるバラードをアルバムの冒頭と最後に配置したあたりに,伝統的ソウル・ミュージックへの敬意を読み取ることができる。
感傷的なサックスも印象的なメロウ・チューン「2 Good 2 B True」,ラップのような滑らかなヴォーカルでゆったりと心地良くスウィングする「Can’t Stop, Won’t Stop」,甘く切ないメロディーが胸に染みる感涙もののバラード「Throw It Back」,Zappを想起させるトークボックスと郷愁を誘うメロディーが絶妙なアンサンブルの「Main Squeeze」・・・と秀作が目白押しの前半が特にお薦め。
中盤なら,女性シンガーPhyllisiaとデュエットした正統派バラード「Why Can’t We?」,孤高で哀感が漂うバラード「Best Part Of The Day」。後半は,サンプリング・ネタとして有名なデレゲイション「Oh Honey」を大ネタ使いした「Days Of Our Lives」,美しくも哀感に満ちたピアノのフレーズが印象的な「I’ll Be Good 2 You」がいい。
というわけで,決して派手さはないけれど,いい仕事してます今回も。