1994年作品。
芸能ゴシップ雑誌の表紙をパロったジャケ通りの、ショービジネス界の裏側で繰り広げられる人生模様を歌った、彼らとしては初のトータルコンセプトアルバム。題名は、三流映画を揶揄する時に使われるGratuitous Sex & Senseless Violence(唐突なセックス、無意味な暴力)のもじり。レット・バトラーの本音、スター女優の愛人の呟き、街に現れたリベラーチの幽霊、BBCはオレのもの、ツイ・ハークの自己紹介(本人出演)など。
80年代後半あたりから世間と歩調がズレはじめ、低迷期に陥ったスパークス。ベスト盤やサントラ仕事でどうにか存在を確認できるほどだったが、思い切って主戦場をアメリカからヨーロッパに移した本作が、起死回生の一発となった。
イントロのアカペラでオッと思わせるつかみが、全盛期を思わせて最高。アメリカ時代にはやや抑え気味だったドラマチックなメロディが復活し、90年代前半ならではの甘口ユーロビートサウンドにうまくマッチして、エレポップの盛んなドイツを中心に大いに売れた。シングルに収められたヴィンス・クラーク(イレイジャー)やバーナード・バトラー(exスウェード)のリミックス仕事も収穫だった。
ただ94年の時点でも決して新しいとは言えないペットショップ・ボーイズ直系の音なので、今聴くとけっこうしんどい部分も少なくないのは仕方ないところか。「Verry」収録の「Yesterday, when I was mad」を思わせるセカンドシングルの3などけっこうヤバイが、本人たちも意識していたのか、当時のインタビューではしきりにPSBをディスっていたものだ。
本作発表後も2、3年に一枚のペースで新作を発表しているが、徐々に時代遅れなエレポップになっていき、このまま落ち着いちゃうのかなあと思っていたら、2002年にまたとんでもないアルバムを発表することになる。