GraphPad Prismは生物学分野の統計に幅広く対応すると共に、graphic機能も充実したソフトウェアー(Win, Mac対応)である。本書は医薬生物学を専攻する研究者や技術者が、Prism5を使用する際の優れた参考書である。第三章以降に、統計解析の目的に応じた解析手段がソフトウェアーの画面を引用しつつ、コンパクトにまとめられている。最終章には、本ソフトウェアーの売りの一つである、非線形回帰の計算ツールが一覧となっているのも、好ましい。但し本解説書は英語版のPrism5を対象としていることに留意すべきである。
この解説書のもう一つの特筆すべき点は、第一章の「間違った統計手法を使わないために」である。この章には統計処理をする際、初学者が陥りやすい間違いが、数式を使わずに大変わかりやすくリストアップされている。更に多重比較の検定手法で、数学的に問題があり現在は不適当とされる統計手法も的確に指摘されており、筆者の統計学に関する造詣の深さが窺がわれる解説書である。