ストップモーションアニメが多い欧米の巨大怪獣物では珍しく、キグルミで撮られた1961年の作品です。
ユージン・ルーリーは怪獣パニック物の古典、「原子怪獣あらわる」、「大海獣ビヒモス」に続いて本ジャンル3作目の監督となりますが、後半のロンドンを恐怖に叩き込むパニック破壊シーンの演出は過去の作品と比べても最高で、現在観ても古びていません。
ゴルゴにより破壊されるロンドン市街のミニチュア・ワークや、様々なサイズの人間や怪獣を違和感無く合成した見事な特撮を担当したのはアカデミー賞受賞2度を誇るトム・ハワード(「2001年宇宙の旅」)です。
実は私もゴルゴのデザインに対する不満とキグルミ怪獣で日本特撮を凌ぐ作品が出来まい、と言う先入観から長らく観ず嫌いでしたが、己の不明を大いに恥じました。
怪獣ファンならば必見でしょう。
主演のジョン・トラバースは、本作以降、「野生のエルザ」等、猛獣と共演する映画の常連となる珍しい経歴を辿る事となります。
ルーリーは本作以降アートディレクターとしての仕事がメインとなり、サミュエル・フラー監督の「ショック集団」の美術で高い評価を得ました。
本輸入DVDは、リマスターされた画質は額縁付きワイドで標準ながら、ケバケバしい色合いは良く、パニックシーンで効果を発揮する5.1chの素晴らしいサウンド、特典は制作裏話の「Behind the Scene」,スタッフ&キャスト紹介、フォトギャラリー、そして,本作以外のスリラー(英アミカスプロの「死霊の町」等)を中心とした予告編と豊富でした。